ドリーム小説
配達ギルドのあれこれ
エステルさんを連れて行ったアレクセイさんを追いかけようとしたユーリたち。
その前に立ちはだかったのは、橙色の甲冑。
それを眺めていれば、姿を消そうとしていたアレクセイさんが、ゆっくりと振り向いた。
「」
「はいはーいなんでしょうかー」
呼ばれた名前に飛び出ないわけには行かなくて。
ざわり、空気が揺れた。
「配達、ギルド・・・・・・?」
「ギルド、姐??」
カロル君とパティちゃんの不思議そうな声。
そうですよねぇ、なんでお前そこにいるんだ、って思いますよねぇ。
でも、私にとっては、おかしなことなんて、何一つない。
「どうも、毎度おおきに、配達ギルド、黒猫の足です〜。ご用命とあれば、例え火の中水の中。ただし配達物の安全は保障しかねます〜燃えない紙、濡れない紙でどうぞ〜。天の上地の下、はたまた砂漠の中だって。運んで見せます。運ぶのは、荷物だけにあらず。信用も一緒にお届けします〜どうぞ配達ギルド黒猫の足をご贔屓に〜・・・・・・もちろん、人だって、頼まれたら運びますよ〜」
へらり、笑って、そう言えば、彼らの動揺はさらに顕著になって。
「配達ギルド・・・・・・」
「なんでアレクセイなんかに!」
ジュディスさんに、モルディオさんの声。
なんで?おかしな質問だ。
「私は私のためにしか動かないと、言ったことがあるんだけどねぇ」
ねえ、ユーリ、覚えてるでしょう?
「お前の捜し物の答えに一番近いのが__アレクセイだった、ということか」
よくおわかりで、ユーリ。
足下のラピードが小さな声で鳴いた。
「__君は、それでいいのか?」
金色の騎士がいいたいことがわからない。
「私は、私にとっての最善のためにしか、動かないんだよ」
__耳元で、アレクセイさんの声が聞こえた。
我がギルドの発明品と同じものを、彼に提供しているから、それはおかしな事ではない。
彼の声が、耳元で響く。
”シュヴァーンがもしもここで死ぬようならば、彼の心臓を、持ち帰れ__その心臓は__”
なんっていうグロテスクな注文だ・・・・・・
まあ従うんですけどね!!
配達ギルドとかつての同行者
仲間、ではないんだ。
彼らは、決して。
仲間ではあり得ないんだ。
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