ドリーム小説
「あ、勘右衛門。突然電話しちゃってごめんね?、大丈夫かしら?」
「あの子、何でもできるし怖いものもそんなにないんだけど、唯一雷だけはだめなのよ。」
その言葉を聞いた瞬間、雨の中へと走り出していた。
びしょびしょになりながらたどり着いた家。
そこは一つの部屋以外真っ暗で。
急いで鍵を使って開けて、階段を上がって。
「っ!!」
そして飛び込んだ部屋の中。
がたがたとベッドの上で震える物体に思わず頬を緩めた。
自分の体が濡れているのも忘れて、その体を引き寄せて。
びくりと震えた体に思わず笑う。
布団をはがして顔をのぞき込めば涙で濡れた瞳。
赤く染まった瞳と鼻。
ぱちくりと瞬く目がひどく綺麗で。
名前を呼べばこちらを見てくる視線が合って。
その瞳に浮かぶ涙がぼとぼととあふれ出すものだから、ちょっと慌ててしまったけれど、すがりついてくるその姿はとてもとてもかわいくて、
何度も何度もその頭をなでて、慰めるように名前を呼んで。
ごめんごめんと何度も謝る。
今までのすべてを謝るように、
許してほしいのではなくて、ただわかってほしいだけ。
自分が妹という存在を、という存在があることに喜んでいると言うことを
「お兄ちゃん」
小さく漏らされたその呼び方が
うれしくてうれしくて、しかたがなかった
※※※
勘ちゃんみたいなお兄ちゃんがほしかっただけのお話。
お兄ちゃんって素直に呼べるようになるまでの遠回りなお話し
本当はもっとじわじわ書きたかったんだけど、文章がうまいことできず・・・
とりあえず一端おしまいです。
この後勘ちゃんは全力のシスコンに。夢主もブラコンになるかと。
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