ドリーム小説

逃げ脚だけは一流です 45









シェリダンを経由して向かうはタタル渓谷。
セレニアの花が鮮やかに彩るその場所は、私にとっては宝の山。

「わー!!これこれ!ずっと探してたんだよね!」

群生して生える様々な植物たち。
障気の中和薬だけでなく、様々な薬に使用することができる薬草がそこにはたくさんあって。

、楽しそうね」

「生き生きしてますね」

「ガイの音機関バカのこと言えないよね〜」

ティアが、イオンが、アニスが笑う。

「本領発揮、というところですか」

、迷子になるなよ」

「なんか手伝おうか?」

「あら、わたくしも」

ジェイドさんさんが、ガイが、ルークが姫様がほほえんだ。

「前来たときは夜だったよな」

感慨深そうに、ルークがつぶやく。
それに優しい、愛しそうな瞳を向けるのはティア。
ルークが外の世界を知るきっかけになった女性。
ルークにとって大きな変化をもたらした仲間たち。
自分が犯した罪を背負いながら、その重みに崩れそうになりながら、必死にいきる少年。
アニスにからかわれてあわてて訂正の言葉を入れるティアとルーク。
一度はもう修繕できないと思われるほどにこじれた関係。
それを塗り変えたのはこの少年自身で。

「変わったよ、ルークは」

私の言葉に緑色の綺麗な瞳が向けられる。
過去は消せない。
罪も消えない。
それでも、ルークは前に進んでいる。

「これからも変わるんでしょう?」

私の言葉にルークがふわり、笑った。

「お願い、みんな、これからも俺を見ていてね」

素直な七歳児の言葉に
ジェイドさんさんさんが仕方なさそうに
ガイがほっとしたように
アニスが楽しそうに
姫様が見守るように
イオンが肯定するように
ティアが愛しそうに
笑って返した。












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