ドリーム小説
魔法101
「今年はクリスマスに残る人が多いんだね。」
「ダンスパーティがあるもの、当然でしょう?」
池の畔。
ハーマイオニーから返ってきた言葉に、こてり、首を傾げた。
「・・・ダンスパーティ?」
彼女を見つめて告げれば、一度、二度、彼女は瞳を瞬かせて。
「もしかして、知らないの?」
その言葉にゆっくりとうなずいた。
「教授。」
教授の部屋。
机に向かう教授の背中に何回目かわからない呼びかけ。
けれど、返事はない。
教授は最近かたくなに私との接触を拒むようになった。
それは以前のようにさりげなく、もなにもなく。
純粋に避けられている、とわかるもの。
けれど、今回のダンスパーティについてなにも教えてもらえなかったのは少し寂しい。
「・・・教授」
返事がなさすぎて、めげそうになってきたとき、ようやっと彼はこちらをみてくれて。
「何かね。」
むすりと、眉間に浮かぶ皺が彼の不機嫌さを表していて。
口にしようとしていた言葉はすべて自分の中に沈んでいった。
「なんでも、ないです。」
そうすれば教授は深い、深いため息を落として。
「・・・用もないのに呼ぶな。」
その言葉を聞いたとたん、ぼたり、滴が、落ちた。
それを、教授は、みていたはず、だったのに。
「気が散る、部屋に戻れ。」
まるでなにもみなかったように、私を突き放した。
落ちていく滴は
誰にも拭われないまま。
ぼろぼろとあふれる滴。
部屋には戻らず、そのまま外へでて。
心配そうな声を上げてくれる絵画たちに答える余裕もなく。
「ちゃん。」
ふらふらとした足取りを止めたのは、元クラスメイトだった。
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