ドリーム小説
魔法108
「我が輩のこれからは、決しておまえのためにはあれない。」
私の言葉にため息をついた後、教授はそう言った。
手を引かれて、ベンチに座るように促されて。
「残りの生は、すべて償うためにあるのだ。」
目の前でひざまづくように膝を着いて、彼は続けた。
「おまえが望むようにはなれないどころか、我が輩といることで、おまえには危険しか及ばない。」
言い聞かせるように言葉は紡がれる。
「たとえおまえに危険が及んでも、我が輩は切り捨てる選択を選ぶかもしれない。」
下から見上げてくる教授は新鮮で、こんな時だというのに小さく笑みが漏れた。
「。」
とがめるような声色なのに、こちらをみてくれているという事実だけで喜びがあふれて。
「ねえ、セブルスさん。」
さらにいい募ろうとした教授の言葉を名前を呼ぶことで遮った。
私が聞きたいのは、そうじゃないの。
私が知りたいのは、たった一つなの。
「私がそばにいるのは、嫌ですか?」
私の言葉に彼は息をのんで、視線を、そっと、そらして。
そして小さな声でつぶやいた。
「嫌なわけが、ない。」
ならば、それが、答えなんだ。
「私は教授が心の底から嫌がらない限り、あなたのそばを離れたくなんてないんです。」
私はいつだってあなたのそばにいたい
「守ってくれなくていいです。私だって、強くなりますから。」
守られるだけのお荷物でいるつもりはない
「あなたは自分のしなきゃいけないことをしてください。」
少しでもあなたの手助けになれるように、成長するから。
だから、信じて。
「大好きです、セブルスさん。」
この気持ちは本当だから。
私の言葉に彼は目を見開いて、顔を手のひらで覆った。
微かに見えた耳は赤くて。
小さく笑えば、視界が黒く染まり温もりと重たさが体にかかる。
「風邪を引く、かぶっていろ。」
投げられた重みは彼のローブで。
視界を隠されたそれは、彼の照れ隠しで。
ああ、もう本当に、
愛しくて仕方がない。
※※※
ダンスパーティなのに踊らず終わる。
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