ドリーム小説










魔法109




















「教授」

「なんだ。」


呼びかければ応えがある。

ローブに触れればちゃんとこちらを見てくれる。

その手にさわれば、控えめにではあれど握り返してくれて。




ダンスパーティよりこっち、教授は格段に優しく、そして甘やかになった。




つきあうだとか、明確なことを話してはいないけれど、ただ、この人が私を少しでも好いてくれていることがわかったから。

私がそばにいることを苦痛ではないと言ってくれたから。

想いを、否定せずにいてくれたから。




なら、全部、いいや、ってそう思えたんだ。




私のためにあれないと、そう言ったのに、


それでも、横にいることを、嫌なわけがない、と受け入れてくれて。

それだけでもうれしかったのに、この人はさらに私に甘さをくれた。



たとえそれが、今だけは、と、時間を埋めるようなものだとしても。



ぎゅ、と背の高い人に抱きつく。

薬草のにおいに落ち着いて、そして同時にどきどきして。



優しくローブの中に引き込むように包み返してくれる優しい人。



「教授、私紅茶入れるのあまり得意ではないのです。」



だから、教えてくれますか?

それにだって、この人は優しく表情をゆるめて頷いてくれた。




甘い甘い




どろどろに甘やかされて。













※※※
しかしあまりにも甘い教授は想像できない























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