ドリーム小説
魔法110
「、すきだよ。」
そう言ったのはフレッド。
いつもみたいな、こちらまで暖かくなるような、そんな笑みではなく。
ふんわりと込められる感情。
「私も、フレッドが大好きですよ。」
私の言葉に、困ったようにうれしそうにフレッドは、笑う。
ごめんなさい。
本当は知っているの。
あなたが向けてくれる感情の、名前を。
私が返した言葉は、決してあなたの望むものではないのだと。
それでも、私が返すことができるのは、この言葉だけだから。
「僕も、すきだよ」
ゆっくりと後ろから現れたジョージが私を抱きしめる。
温もりに包まれて、安心はするけれど、どきどきは、しない。
「ジョージのことも、大好きですよ。」
ごめんなさい
向けてくれる愛の言葉に、私は想いをかえせない。
「泣かされたら言えよ?」
いつもみたいに笑って、ジョージが
「愛想尽かしたらいつでもおいで。」
柔らかくほほえんで、フレッドが。
ごめんなさい、そのかわりに、きれいに笑って見せた。
大好き、だいすき。
でも、愛しているのは、一人だけ。
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