ドリーム小説










魔法114



























最後の試練。

それをふまえて事前に家族との面談が許される、らしい。

それに困ったように眉を寄せたのはハリー。

セドリックたちが家族に抱きつくのを、うらやましそうに見ていて。

「ハリー。」

代表選手ばかりの部屋に私が入ったのは、ハリーを呼びにきたから。

当初の目的の通り、ハリーを呼んで、部屋を出る。

頼んできたのはルーピン。

疲れたような表情で、ようやっと見つけたから、といって。

なんとなく、脳裏に浮かんだのは黒くて大きなあの犬。


基、あの人間。


私に恐怖を植え付けて、教授がとてつもなく嫌う、そんな人物。

だからなのか、珍しく教授とは別行動だ。


?」


無言でハリーを誘導していれば不安になったのか、彼が私を呼ぶ。

「ハリーに会いたい人がいるんですよ。」

私の言葉に少しだけ期待したような色が、瞳に浮かぶ。

目的の部屋にたどり着いて、扉を開けるように促す。


「ハリー!!」


そうすれば、黒い大きな人が全力でハリーへと飛びかかるわけで。


「シリウス!?」

驚くハリー。

彼らの向こうではルーピンがうれしそうに笑っていて。



ちらり、浮かんだ、元の世界での、家族のこと。



その顔はぼやけて、声だってあまり覚えていないけれど。


小さく、胸が痛む。


ハリーをその部屋に残して、ゆっくりと廊下に戻る。


くるり、向かうのは、私の部屋。


大好きな、あの人がいる部屋。




大事で、大好きで愛しいあの人は、




この世界で、家族でもあるのです。























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