ドリーム小説
魔法116
序で、おとずれたのは、静寂。
そして体をたたきつけるような衝撃。
息を詰める私に、何の言葉もかけず、睦月君は立ち上がる。
ゆっくりと体を起こせば、あたりは暗く。
よく見ればお墓のようなものがちらほら見えて。
「・・・ここ、どこ、」
私の言葉にちらり、睦月君は視線をむけて。
そして、そっと私のそばでささやく。
「聞いて、ちゃん」
先ほどまでとは違う、穏やかな声。
いつも道理の呼び方。
私を慈しむように、手が、さっきまでの傷口に触れる。
「今からここに、君の友人たちがくる」
なにを突然。
そんな思いで睦月君を見るけれど、彼の表情は穏やかで。
「彼らがきたら、君は彼らのところに走って。」
だからこそ、静かに聞けた。
「それから一緒につれてこられたトロフィーに触れるんだ。」
いわれている意味があまりわからないけれど、今の彼を信じることに疑いを抱けなくて。
「いいね?」
彼の言葉に一つ、うなずく。
そうすれば、彼の瞳は柔らかくゆがめられて。
「ちゃん。あのね、奴が俺らをほしがった理由は、俺らが持っている能力のせい。」
無言で先を促す。
「ちゃんに魔法が効かないのと同じで、俺にも特殊な能力があってね。」
そういえば、ホグワーツの中では姿現しはできないって話だったのに。
彼は簡単にして見せた。
「俺のは、奴と同じか、それ以上の魔力。それから___。」
ちらり、睦月君はあたりに再度視線をやって、小さく笑った。
「これからおこることを、知る能力。」
その瞬間、微かな音と共に、ハリーとセドリックが姿を現した。
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