ドリーム小説
魔法127
たゆたうせかいで、そのひとをつれて、じぶんのへやに、おりたって。
そしたらとつぜんからだがおもくなって。
なにか、こえがきこえるな、とおもったから、
そのこえのもちぬしを___
「__せぶるすきょうじゅ」
愛しくて、愛しくて、仕方がない人。
私が、心から望む人の名前。
その名前を、発した瞬間。
いままでたゆたっていた意識が急速に覚醒する。
ぱちり
思った以上に簡単にあいた瞳が写すのは天井と、
「、、?」
私を呼ぶ教授の姿。
久しぶりにちゃんと教授がみれたことがうれしくて思わず、ほほえんだ。
ゆっくりと、ぎしぎしとする体を起きあがらせる。
思った以上に簡単に動いた体にほっとして。
ベッドに座る形で落ち着く。
と、ぶわり、記憶が呼び覚まされる。
今、こうなっている理由や、私が眠っている間に見た夢
それはきっと、本当に起こったこと。
でも、それよりも、何よりも。
「セブルスさん。」
愛しい人。
私をいつだって見守ってくれる。
大好きな人は先ほどから全く動く様子が見えず、ただ突っ立って、私を見ている。
それは珍しい姿で
「あなたに、またあえて」
手を伸ばして、そのローブに触れる。
ようやっと、さわれた。
夢の中、たゆたう世界では、触れることが許されなかったから。
「とても、うれしい」
その言葉が空気に溶ける前に
教授は両腕を私に伸ばして力一杯抱きしめる。
ぎりぎりと、絞め殺すかのような強さ。
でもそれほど私に想いが向けられているということが、うれしくてうれしくて。
同じように抱きしめ返す。
視界の端で睦月君がほかの人たちを連れて部屋を出ていくのが見えた。
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