ドリーム小説
魔法13
「おかえり、です!きょーじゅ!」
「っつ!!」
夜になってやっと帰ってきたきょーじゅにタックルをかまし、寂しかったのを紛らわせる。
これから毎日こうなるのに、耐えられるのかな私・・・。
突然でしかも思い切り飛びついたにもかかわらず軽くよろけるだけのきょーじゅ。
なんだか、むっとする。
腹いせに思い切り抱きしめる。
薬草の匂いが濃い。
溜息を聞きながらもそれがきょーじゅだと思っているので気にはしない。
「今日は何をしていたのだ?」
晩御飯を食べていると聞かれたそれ。
「えぇと、・・・きょは、ほん、みてた、です。」
考えながら話す。
拙い文なのにきょーじゅはちゃんと聞いてくれて。
嬉しい、と感じた。
「本?棚にあったのかね?」
「はい、です。」
「・・・お前の読めるようなものはあったか?」
「・・・よんで、ない、です。絵、みてた、ですよ。」
「そうか・・・。」
それだけ言うときょーじゅは何か考え込むように黙り込んだ。
『ごちそうさまでした。』
それを見ながら、私は手を合わせた。
消灯後の見回りに行くついてくるか?
そういう風なことを言われ間髪入れず、頷いた。
真っ暗な校内。
きょーじゅのもつ棒・・・杖の明かりとところどころにある松明の揺らぐ明かりだけが頼りで。
それは、どこか夢を髣髴させるもので。
思わず握り締めたローブにきょーじゅは何も言わないでくれた。
「寝ていたのかと思っていたが、寝ていなかったようだな。」
・・寝なかったのかと聞かれたと思う。
「・・・寝る、の、こわかった、です。また、見る、から・・・。」
「・・・そうか。」
頭に暖かな何かが乗せられる。
おっきなそれは無骨ながらも優しくて。
怖かったけど、今はもう平気になった。
・・・大変だ。
迷ったみたいだ。
右を見ても左を見ても後ろを見ても上を見てもきょーじゅがいない。
・・・さっき見たおばけのせいだ。
私は悪くない。
んでもって、きょーじゅが足長いのが悪いんだ。
(早いんだよ歩くの。)
さてさてどうしよう。
ミセスノリスを探して、部屋まで送ってもらうかここでおとなしく誰かを待つか。
微妙な選択で悩む。
「「こんな時間にどうかしたの?お嬢さん。」」
むう、とうなっていたら掛けられた声。
おばけかと思って固まった私に両側からスピーカーのように聞こえる。
「道に迷ったなら」
「僕たちが案内するよ?」
「何かあったんだったら」
「僕たちが相談に乗るよ?」
異口同音。
まさしくその言葉のとおり。
振り向いたそこにいたのは、赤い髪が印象的な同じ顔。
「始めまして!」
「見ない顔だね?」
「「僕らは」」
「フレッド・ウィーズリー」
「ジョージ・ウィーズリー」
「「見てのとおり、双子さ。君の名前は?」」
とても爽やかに二人は笑いました。
ごめんなさいきょーじゅしょにちなのに
やくそくまもれそうにないです。
「・・・なま、え・・・あぁ、私は、 、です。」
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