ドリーム小説









 魔法14



「ふれっど、じょーじ・・・」
「「うんそうだよ。」」

相変わらずここの人たちの名前は面倒だ。

口の中でぶつぶつとまじないのようにその二つの名前を繰り返す。

「ところでお嬢さん。」
「君はどこの寮なんだい?」

「・・・?」
なんか言われたのは解るが何を言われたのか解らない。

首を傾げうなる私にそっくり同じ顔をお互いに見合わせると言った。

「もしかして英語しゃべれない?」
「もしかして英語わからない?」

それに数拍おいて言葉を理解する。
「ちょっと、しか、だめ、です。」

拙い答えに二人は一瞬驚いたように見えたが次の瞬間満面の笑みを浮かべ私に飛びついてきた。
『えっ、ちょっ!』
「僕らが教えてあげるよ!!」
「何でも聞くといい!!」

左右から聞こえる声はどことなく楽しげで。
私は言葉の意味が理解できないながらも二人の言葉に頷いた。

は新入生?」
「見たことが無いけど。」

「・・新入生?えと、私、は、生徒、ちがう、ですよ。」


全て英語ではあるが、とても優しい言葉を使ってくれる上、ゆっくりと話してくれるので何となく理解できた。

「生徒じゃないの?」
「じゃあはどうしてここに?」

それにちょっと考える。
(・・・私のことは秘密だから)

「ひみつ、です。」

ふにゃり微笑んで口元に人差し指を立てる私に二人はにやりとした笑みを浮かべ、言った。

「OK!それならぜひとも探らなければね?兄弟!」
「Yes!そのとおりだね兄弟!」

そのままいろんなことを聞かれて、自分の部屋に戻れたのはずっと後。
別れた後、きょーじゅが階段に立っててくれなければたどり着けなかったであろうことは秘密だ。





 ともだちができました


   「どこに行っておったのだ?」

     「ごめんです、きょーじゅ・・・迷ってたです・・・。」 
      








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