ドリーム小説










魔法141













ロケットだ。

教授へのいらだちをぶつける代わりに部屋の掃除をしていれば見つけた鎖。

たどっていけばそれは一つのロケットで。

好奇心がうずいてそっとそれを開ける、否、開けようとした。

ら、

「それはクリーチャーのものです!」

小さな影が目の前にやってきて。

キーキーと叫んだ。

この屋敷に住む僕妖精のクリーチャーだ。

下からにらみつけるように声を出すその小さな陰。

なんだか申し訳なくなってしゃがみこんだ。

「勝手にさわってごめんなさい。」

そうっとその手にロケットを返せば、クリーチャーは安心したような表情を浮かべて。

「大事なものだったんですね、すみません。」

勝手にふれたことに再度謝れば、私の言葉にクリーチャーはちらりとこちらをみて。

「・・・大事な人が入ってるんですか?」

ロケット、というからには写真か何かが入っているのだろう。

好奇心から尋ねれば、じろり、睨まれて。

「___クリーチャーめは、知りません。開くことができないのです。」

けれど、返事が返ってきた。

「これは大事な、クリーチャーの大事な坊ちゃまが残して行かれたもの。」

愛おしむように、そのロケットを撫でて、でも声は非常に沈んだまま。

はじめはシリウスのことかと思ったけれど、話を聞いていくうちに違うとわかって。

「クリーチャーは、レギュラス坊ちゃまの最後の願いを、まだ、かなえられないままなのです。」

返したロケットが、そっと目の前にかざされて。

レギュラス その名前を本当に大切そうにクリーチャーはつぶやいた。

そのロケットと、私の顔と、クリーチャーはうろうろと視線をさまよわせて、そして、息を吐き出した。

「お嬢様。」

突然の呼ばれ方。

それは、予想もしなかったもので。

けれど、次に告げられたのはさらに想像もしなかった言葉。

「お嬢様なら、このロケットを壊せるのでは?」

大事だと、そう告げたのに。

壊してほしいと言われてしまって。

確信を持ったようなその瞳に押されて、押しつけられたロケットを受け取ってしまう。

このロケットはあかない、そう聞いたのに。


手をかければ簡単に中身は姿を現す。






そして、同時に、ぶわり、暗闇が沸き上がった。






それは、私を、の、み、こ、ん、で___






ぷつり、いしきが、とぎれた




































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