ドリーム小説










魔法149

















主は求めた。

従者のものを。

従者は差し出した、求められたものを





クリーチャーを、帝王に望まれた。

うれしそうにレギュラスは言っていたのに。



帰ってきたのは息も絶え絶えな僕妖精。



たくさん苦しめられて、傷つけられて。

生きているのが不思議なほどにぼろぼろになったその子を、レギュラスは抱きしめた。


、僕は、帝王を許せない」


印の刻まれた場所を押さえながら、レギュラスは言った。

静かな声で、穏やかな表情で。

その瞳に怒りを潜ませながら。


「だけど、僕は家族を裏切れない」


困ったように笑ったレギュラスは今までの中で一番優しい顔をしていて。

押さえつけた場所を憎むように力を加えた。


「僕ができるすべてで、帝王を、死に近づける。」


レギュラスが、私の頭に、そっと手を乗せて、そういった。


「レギュラス君」


彼の言いたいことが、わかって。

理解できてしまって。


ぞくりと、した。


私の知っている、彼の未来。

行方不明のまま、おそらく死んだのだと、そう言われていたけれど。


彼は、家族のために、自分を犠牲にしたのだ。

この子は、家族を守るために。


「レギュラス君、」

名前を呼んで、その先に、言葉を続けたいのに。

言葉はのどの奥張り付いたように、発せられることはなく。



「いままでありがとう、



お別れのようなことば。


そんなの、聞きたくはないのに。



視界に、ノイズが、混じる。

意識が、混濁する。


それは、いつもの眠りにつくときと同じ症状。



でも、今はだめ。

「っ、レギュラス君、一緒に、私と一緒に生きよう!」

手を伸ばす。

つかむことも、捕まれることもできない手を。


ノイズが、ひどく、なる


「私も一緒に考えるから!」


ふれられる距離なのに、決して許されないその温もりを。

だから、お願い、お別れなんて、聞きたくない。


それなのに


意識はゆるり、闇に、とけて


ふわり


レギュラスは、とてもとても、きれいに笑った。




の存在そのものが、


僕にとって救いだったよ___。」





そして、世界は、暗転




















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