ドリーム小説
魔法150
だめだよ、そんなすべてを背負う終わり方は、だめ。
君一人に、すべてを押しつけたくなんか、ない。
もがく、闇の中。
のばす、届かない手を
それでも、君を生かすためならば、私は___
「レギュラス様!!」
叫び声。
浮上する意識。
必死で光の中、目を凝らして、探す言葉の先。
周りは水。
洞窟のようなその場所。
小さな小さな足場に、二つの影。
がくがくとけいれんして水を求めるのは、大事な友
それに必死に声をかけるのはクリーチャー。
状況が全く持って理解できない。
それでも、レギュラスに何かが起こっているのがわかって。
「レギュラス坊ちゃま!!」
叫ぶクリーチャー。
その手に握られる、ロケット。
そうか、これが、最後のときか。
ぞくり、体がふるえた。
水を求めて水面に手を伸ばしたレギュラス。
その手が、なにかに、つかまれて
一瞬のうち、レギュラスの体は、水の中に、つれて行かれそうになる。
叫ぶクリーチャー。
私はなにも、できなくて。
でも、でも、
その濁った瞳は、確かに、私をみた。
「っ、、」
名前を、よばれた。
最後のこのときに、この子は、私を呼んだ。
_の存在そのものが、僕にとって救いだったよ___。_
私がこの子にとっての救いならば、今、このときにほおっておくわけにはいかない。
強がりなこの子の願い。
私に向けられた必死の思い。
助けなきゃ
思ってからは体は軽かった。
引きずり込まれた彼を追いかけて、水の中へ。
たくさんの何かに捕らえられた彼のそばに。
睦月君から習ったたくさんの呪文を振りまいて。
「ごめんね、レギュラス君は、まだ、あげない。」
その手を、私は、確かに、つかんで。
優しく彼を抱きしめた。
久しぶりに感じた温もりは、泣きそうなほどあたたかくて。
脳裏に浮かべるのは、どんなときでも助けてくれる、あの人の、ところ。
back/
next
戻る