ドリーム小説










魔法162



















レギュラスは、編入という形でホグワーツで学ぶことになった。

名前を変えて、髪の色を変えて。

スリザリンに入り、ドラコのそばに。

そばにいることを望んだのはレギュラス自身。

ルシウスの息子であるドラコに、自分と同じ鉄を踏んでほしくはないと。

そう言って、グリフィンドールを進めた帽子の言葉をぶったぎった。


シリウスは騎士団本部に戻り、あれこれと手配を続け。

その合間にレギュラスに会いにホグワーツに通っている。

そのたびに教授に見つかり追い出されているが。

ルーピンも未だに校長の命を受けていろいろと飛び回っている。

内容はまったくもって詳しく教えてはもらえないけれど、おそらく彼の体質でしかできないことだろう。

双子は相変わらずいたずら専門店が絶好調の様子。

セドリックはこの間闇払い見習いになれたと連絡があって。

ハリーたちは、新しいスラグホーン先生になにかしら探りを入れている、ようで。


いろんな変化はあるけれど、それでも、少しずつ元の生活になったような、そんな錯覚をしていた。




あの夢を、見るまでは。




ほとほとと、音もなく滴がこぼれる。

呆然と、ただベッドに座るだけしかできなくて。

闇が、私を支配する。

逃げ続けていたのに、それは、いつの間にかすぐ近くまでやってきていた。

見つかってしまった。

ばれてしまった。

ぞくりと体がふるえる

赤い瞳が私をみて笑う


私の存在が。

闇の帝王に。


大事に、とかくしてもらっていたのに。

見つからないように、とかくまってくれていたのに。


おそらく原因はあの分霊箱。



あのとき、私の体に取り込まれた魔力が、あのひととわたしをつなげてしまった。


笑った表情が消えない。

嬉しそうに、笑う声が。


近いうちにあの人は私にたどり着く。

それは、とても、怖いこと。


「教授」


クローゼットをでて、教授の眠るベッドへ。

声をあげた私に彼はゆっくりと目を開けてくれて。

無言で開けられた掛け布団に、体を滑り込ませて、彼に抱きつく。

強い腕が抱きしめ返してくれることに少しだけ安心して。

「ごめんなさい、教授。見つかってしまいました。」

どうした、その言葉の前に告げる内容。

そうすれば、教授の体は固くなる。

「・・・分霊箱か」

一瞬で行き着いた答え。

うなずいて肯定を示せば、ぐ、っとさらに強く抱きしめられて。

「この場所は?」

「ばしょは、わからないとおもう。」

でも、確証はない。

しばしの無言。

その後教授はゆっくりと息を吐いた。


「ならば、心配をするな。」


まだ打つ手はある。

教授はそう告げた。

離れろ、とも。

隠れろ、とも。

そんな言葉はなく。

腕の力はまして、彼の唇が顔に落とされた。

「きょ、じゅ、」

驚いて声をあげれば、甘い瞳が落とされる。


「夜中に恋人のベッドに潜り込んで、___なにも起こらぬとでも?」


それはそれは、楽しそうな言葉。

あわてて逃げようとした体は、腕の強さに引き留められて。

発しようとした言葉はその唇の中に吸い込まれた。



















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