ドリーム小説
魔法164
レギュラスと二人。
手をつないでベンチに座って。
取り留めのない話を口に出す。
別に重要でも何でもない言葉を交わして、そして笑いあって。
ぎゅう、と時折強くなる手の力。
それは、お互いにさわれなかった時間を埋めるように。
それは、お互いの存在を確かめるように。
「あ、」
先に気がついたのはレギュラス。
私の後ろに目をやって、とても柔らかくほほえんだ。
鼻をくすぐった薬学のにおい。
それに私の頬も自然とほころぶわけで。
「教授」
振り向いて、呼ぶ。
そうすればその表情はかすかにゆるむわけで。
ただその瞳は私を写して、次いでレギュラスを写した瞬間、なぜかゆがんだ。
「。」
呼ばれて手を差し出されたから、何の抵抗もなく立ち上がり、その手に___
ふれようとしたのに。
「」
逆側の手、レギュラス君とつながる手が枷となって、教授に近づけない。
振り向いた先レギュラスはとてつもなく楽しそうな表情で教授を見上げていた。
「セブルス先輩。」
穏やかな声でレギュラスは教授を呼ぶ。
「触れられなかった時間を、埋めたいんです。」
にっこりと、珍しいまでの笑顔。
対する教授はどことなく、むっとした表情。
「わ、」
どういう状態かと成り行きを見守っていれば、突如空いていた手を教授に捕まれて、その腕に引っ張り込まれた。
「・・・これは、私のだ。」
耳元の小さな声。
でもそれは、ひどくうれしい言葉で。
「っ、セブルスさんっ!!」
ぎゅう、と力を込めて抱きしめる。
たくさんの大好きを伝えるように。
※※※
あのセブルス先輩が嫉妬するのがおもしろくて仕方ないレギュラス君
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