ドリーム小説










魔法165












不安はたくさんあるけれど、教授が大丈夫だと抱きしめてくれたから。

だから、きっと、大丈夫。



世界は白く染まり、未だにちらちらと雪を落とす。

ホグズミードへ行くことが許されたその日

教授が突然呼び出された。

ちらりと聞こえてきた話では、呪いの何かに生徒がふれたとか、なんとか。

そしてその現場に友人である三人の姿があったとなれば、いかないわけにはいかなくて。

部屋にとどまれと声をかけてきた教授に首を振って、向かうのは彼らのところ。


「ハリー!ハーマイオニー!ロン!!」


名前を呼べば三人は振り向いて、小さく笑った。

けれど私の後ろにいる教授を見てその笑みはひきつるわけで。


「大丈夫?怪我とかは??」


三人に駆け寄って、ぺたぺたと体に触れて確かめる。

そうすればハーマイオニーはふわりと笑って大丈夫といってくれて。

ほっと息を吐き出せば、柔らかく頭をなでられた。


「いったいなにがあった。」


教授がハリーたちに詰問しはじめて。

その全貌がゆっくりとあかされていく。


「心当たりのある人物はいますか?」

副校長の言葉に、ハリーの瞳がかすかに揺らいだ。

けれどそれは一瞬で、わからない、とハリーは首を振る。

いぶかしげな表情を、大人二人は浮かべたけれど言及されることはなく。

早々に三人は解放された。

顔を見つめあって、ため息をついて。

ハーマイオニーがいつもみたいに私を抱きしめる。

「わからないことばっかり。」

ぽつり、耳元で呟かれた言葉。

それは、彼女の困惑を示すしていて。

そっと背中に手を回して甘えるように抱きしめる。

そうすれば、ハーマイオニーはとてもきれいに笑うから。

「ねえ、

ハリーの言葉。

目を向ければ、うろうろとさまよう視線。

一度、二度、何かを言おうとして、でも口は閉ざされて。

「ハリー?」

「ドラコを、見ていてほしい。」

ためらった割には、まっすぐと私を見てハリーは言った。

「私たちじゃそばにいれないから。」

ハーマイオニーが言葉を続けて。

「僕らの大事な友達の一人だからね。」

少しだけ照れくさそうに、ロンがいうから。

私も笑顔になる。



言われなくても



だって、あの子は私にとっても大事な友達だから。













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