ドリーム小説
魔法169
「、少しだけ話をしてもいい?」
授業が終わって部屋に向かう教授についていこうとすれば、ハーマイオニーが私に声をかける。
その表情はどこかこわばっていて。
かわいくて大好きな友人をほうっておくことなどできなくて、笑ってうなずく。
「ねえ、」
少し言いよどんだハーマイオニーは、けれどまっすぐに私を見て言葉を発した。
「あなたは、なにを知っているの?」
想像もしていなかった言葉。
意味がとらえきれずにゆっくりと首を傾げる。
私の視線にたじろぐようにハーマイオニーは体を揺らして。
「も、ドラコも。僕らは君らを信じたい・・・否、信じているよ。」
跡を継ぐようにハリーが言葉を選ぶ。
真意がわからずそれを眺めることしかできない。
「でもね、僕らはスネイプは信じられないんだ。」
まっすぐに、めがねの奥の瞳が私を、見つめる。
「君が、あいつを信じる理由を、教えてよ。」
ロンの言葉。
双子の兄とは違う声は、私を責め立てるよう。
スネイプ教授を、信じられない。
そう告げる瞳に射すくめられる。
体が、ふるえる。
私の大好きな、愛しい人を。
否定する彼らを___
「信じてなんか、いらない。」
私の言葉に三人の表情が怪訝そうなものに変わる。
だって、だって。
「私がなにを言っても、ハリーたちは決して信じてはくれないでしょう?」
わかったと、理解したと、そう笑いながら心のどこかで疑い続けて。
そして、何か一つ。
たった一つ些細なかけらで、やっぱり、と責め立てるのでしょう?
「見せかけの信頼なんて、いらない。私の言葉一つで変わるような意志じゃないでしょう?あなたたちが教授に向ける感情は。」
彼の行動の意味を、私は理解している。
理解している理由は、彼の過去を聞いたから。
「あなたたちに理由を話すのは教授が望まない。」
なにより、教授が唯一私に教えてくれたその言葉たちを、過去を、簡単に教えたくなんて、ないの。
まっすぐに、今度は私がハリーを見つめる。
母親譲りのきれいな瞳。
それは、教授が守ると決めたもの。
とてもきれいで、少しだけ憎い。
教授が唯一条件なしで愛おしむものだから。
「それに、私はあの人を信じているんじゃないよ。」
ハーマイオニーが私に一歩近づこうとしたから、ゆっくりと、後ずさる。
私の感情はひどく汚れているから。
とてもきれいなハーマイオニーにふれられたくは、ない。
「あの人以外、信じてないの。」
私の大好きな、愛しい人を。
否定する彼らを___
信じたくなんか、ない。
私の言葉に、ハリーが、ハーマイオニーが、ロンが、泣きそうに表情をゆがめた。
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