ドリーム小説










魔法174




















昴に目元を隠されて、何かを耳元でささやかれて。

そして、はぐらりと体を揺らした。

受け止めた体を僕に渡して、そうして昴は小さく笑ったんだ。

「レギュラス、この子と、この学校を任せるな。」

そうして昴はハリーたちの元へと足を進めた。


それは、以前から話していたこと。

ハリーが最終学年に進んだ世界。

そこで起こる様々な事態について。

変化を遂げる世界の中、僕たちがすべきこと。

セブルス先輩が、校長になって戻ってくる。

代わりにハリーたちはこの場所には戻らず、分霊箱を探しに行くとのこと。

死喰い人が闊歩する城内は昴には危険すぎると、彼はハリーらと共に。

そして、僕はのそばに。

そう、決めていた。






腕の中、確かなぬくもり。

それに体がふるえた。

この世界が再び闇に覆われるのだと、そう思うと。

赤く染まった頬に、ぬれた目元。

その唇はいつだってセブルス先輩の名前を紡ぐ。


ぐ、っと力を込めてこの少女を抱きしめる。


力強く鼓動を打つ心臓。

それはこの子がくれたもの。

驚くくらい優しくて

何もできないくらい弱いのに

あの人のこととなると強くて

それでもすぐに消えてしまいそうなほど脆い。


そんなちぐはぐなこの少女。






もう一度闇に墜ちてもかまわない




この少女を守るためなれば。















※※※
プリンス終了
ようやっと最終章














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