ドリーム小説










魔法189






ノックの音。

ここに入れるレギュラスは目の前にいるし、教授は奥の部屋。

と、なるとこの場所に来るのは___

一気に緊張感を増した部屋。

レギュラスが私を守るように杖をもち立ち上がる。

奥からでてきた教授がゆっくりと私を隠すようにローブで覆って。

「___誰だ」

教授の声がローブの中まで響く


「お届け物にあがりましたー。」


響いたのはあっけらかんとした声。

聞きなれたそれに、校長室に静寂が広がった。

「・・・あれ、はずした?」

「・・・今のはないと思う。」

どうしようか。

ローブから顔を出した私を含んで目線で会話していれば、響いたもう一個の声。

一番に反応したのはレギュラス。

つかつかと声の方向へと近づき、大きな音を立てて扉を開いた。


そこにいたのは、二つの影


へらり、相変わらずの笑いの睦月君と、それから


それから___



「ドラコ!!」


ローブの中から飛び出して、かけよる、大事な友のところ。

手を広げて抱きつけば、戸惑いながらもその体はしっかりと抱きしめ返してくれて。

少しみない間に、大きくなった。


そう思わずにはいられない


ぎゅうぎゅうと力を込めて抱きしめればそおっと、彼の手も背中にまわって。

・・・」

ぽつり、呼ばれる。

低くなった声

壊れものにさわるみたいに、恐々とふれるそのさわり方。

ああ、ドラコだ。

じわり、胸が暖かくなる。

ぼろぼろ、と熱いものがこみ上げる。


いつぶりか、わからないくらいに、久しぶりで


ぎゅう、とその腕の中、すがりつく。


「生きて、いるな・・・」

レギュラスの声。

視線をあげれば、ドラコの頭をレギュラスがなでていた。

「よく、がんばった。」

その瞳は、安堵でゆるんでいる。


「やっほー先生。」

「もう少しほかに言うことはなかったのかね。」

いつの間にか教授の前まで進んだ睦月君が声を上げれば教授もそれに答えるわけで。

あきれたように、それでもいつもよりも険がとれた表情で教授は続ける。

「で、どういう状態だ。」

それに対してにぱり、と睦月君は笑った。

曰く、捕まったハリーたちを助けるついでに、ドラコも盗ってきた、ということらしい。

至極簡単に告げられたけれど、それはどう考えても簡単ではない内容。

部屋の空気が凍った。

けれど、それを打ち砕くのもまた睦月くんなわけで。

「さて、ドラコ。おまえをここに連れてきたのは理由がある。」

突然真剣な瞳になった睦月君。

それに対してドラコも姿勢を正す。


「俺たち、引いてはハリーたちはあるものを探している。」

教授はゆっくりとソファに腰掛けて傍観の姿勢をとった。

「それはこのホグワーツに隠されていて、簡単には見つからないものだ。」

ならば、とばかりに教授のそばに従えば、柔らかく頭をなでられて。

「共に探してはくれないだろうか。」


レギュラスのそばで、ドラコは確かにうなずいた。










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