ドリーム小説










魔法191













先輩がと共に姿を消した。

走ってやってきた教授たちに校長はずらかった、と告げるマクゴナガル。

「レギュラス。後は任せる」

昴は僕にそういって、ドラコをおいて大広間の外へ。

ドラコは僕の後ろで、まっすぐにハリーを見ていた。


突如広がった叫び声。

大広間のあちこちで女子生徒が叫ぶ。

耳の奥、深いところで響く、高い音。

皆が耳を押さえてうずくまった。

と、それは、意味をなした言葉を、響かせた。

「差し出せ」

「ハリーポッターを、差し出せ」

それは、帝王のもの。

今この世界に君臨する、支配者のもの。


ざわめきのなか、皆の視線はハリーただ一人へ向けられて。


「差し出しなさいよ!!」


響く声。

それはスリザリンの女生徒の者。

きっ、と鋭く目をつり上げて、叫ぶ。

ハリーを、渡せばいい、と。


けれど、次の瞬間、ハリーの前に歩みでたものがいた。

ハリーと向き合うのは、スリザリンの色を纏う、プラチナブロンド

「ドラコもそう思うでしょう?」

まっすぐにハリーを見た彼を、ほかのスリザリン生がはやし立てた。

けれど、次の瞬間、彼がもたらした言葉によって、大広間は静寂に包まれた。

「行くなよ、ハリー」

ふわり、笑みを浮かべて彼は続けた。

「ここにいろ。」

そのまま、くるり、向きを変えて。

今度はハリーを背にかばい、スリザリンの生徒に向かい合う。

凛とした姿勢で、プラチナブロンドを揺らし、声を張り上げた。


「ハリーは、ハリーポッターは、渡さない。」



まっすぐに同じ寮の人間を見つめながら、ドラコマルフォイは再度声を張り上げた。


「ハリーは大事な友だ。決して渡しはしない。」



ぽかん、と口を開けて状況を理解できないと示すスリザリン生たち。

けれど、ドラコに付き動かされるように、グリフィンドール生が、ハッフルパフが、レイブンクローが立ちはだかる。


もちろん、僕だって。

ドラコの横にたち、よく頑張った、と背に触れる。

気恥ずかしそうに、それでもまっすぐに前を見るこの子を、だれが闇の勢力だと思おうか。


「「「ドラコ!!」」」


感極まったハリーが、ロンが、ハーマイオニーが、ドラコへ飛びつくまで後少し。












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