ドリーム小説
魔法199
教授が私を抱きしめ返してくれて。
そこで初めて、気づいた。
場所が変わっていることに。
今の行動を全部、見られていたことに。
それも、ハリー達三人に。
教授から何かを受け取ったハリーが何ともいえない顔で私を見た。
やばい。
顔に熱が上がる。
とてつもなく、恥ずかしい。
顔を埋めるように、教授にさらに身を寄せる。
と、思い出す。
この人も今、大きなけがをしていたのだと。
そんな大事なことすら記憶から飛ぶとか。
顔を上げて、教授を見る。
脂汗のにじむ額。
肩で多きく息をして。
さあ、って血の気が引く。
さっきまで収まっていた同様がぶりかえす。
「教授、けが!!」
動揺して発する言葉。
それはまるでならいたての言語のようにつたなくて。
ゆらり、こちらに落とされる視線。
「・・・大丈夫だ。」
絶対に嘘だ。
直さなきゃ。
あわてて彼の腕から飛び出るけれど、どうしたらいいのかわからなくて。
「大丈夫だ」
「教授、うそ、だめ!!」
再度繰り返された嘘。
信じるほどあなたを理解していないわけがない。
「まあ、あながち間違いじゃないかな。」
けれど、それを遮ったのは、睦月君。
どういうこと?
そちらを見れば、睦月君がへらりと笑ってた。
その向こう、ハリーは何かお盆みたいなのに顔をつっこんで。
ロンとハーマイオニーは外へ走っていって。
「覚えてる?ちゃん。剣の夜、僕らが互いに掛け合った魔法を。」
_睦月君が傷つきませんように。_
_ちゃんが先生と一緒にいられますように_
それは、想いが魔法に成ったもの。
それは、きっと異なる世界の二人だからこそできたもの。
「あれがね、作用したんじゃないかな?」
互いを想い託した願い。
それは確かな力となって。
その証拠とばかりに、教授の呼吸はさっきより穏やかで。
「母の愛がハリーを守ったなら、僕らの愛が先生を守っても、おかしくないでしょう?」
へらり、それこそいつもみたいに彼は笑った。
「でも、まだ足りないだろうから。ちゃん、傷を癒す魔法をかけてあげて?」
睦月君から発せられる、じゅもん。
それを、想いを込めて、力を込めて繰り返す。
そうすれば、柔らかな光は教授へと吸い込まれて。
ふさがった傷口をなでて、教授は一度瞳を瞬かせて。
距離を埋めるように、強く、抱きしめてくれた。
※※※※※
ハリーに向けるリリーの愛があるならば、こんな愛があってもいいじゃないかと。
うちのオリキャラはきっとチート
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