ドリーム小説
魔法201
確かに、みたんだ。
僕に向かってくる緑の閃光を。
けれど、それは、三つの影に遮られて。
「ぼさっとすんなフレッド!!」
はじめに僕を正気に戻したのは、片割れの声。
あわてて杖を握りなおして、向かってくる呪文を跳ね返す。
「怪我してないね?ウィーズリー!」
次に声をかけてきたのは、セドリック・ディゴリー
僕らよりもずっと早く杖を動かし、多くの敵をノックアウトしている。
「フレッド!!」
それから、それから、
泣きそうな顔で、めがねをおとしそうになりながら。パーシーが。
怒ったように、安心したように、僕の名前を、よんだ。
ああ、もう、こんなときばっかり、兄の顔をして。
ずるい、本当にパーシーは、ずるい。
「プロテゴ!!」
そんなパーシーに向けられた魔法を防いで、ついでとばかりに失神呪文を。
そうすれば、パーシーは気まずそうに口を閉ざして。
近寄って、そのおでこにでこピンを一つ。
衝撃で後ろにのけぞった兄を、滅多に使わない名称で呼んでやった。
「もう少しだ、がんばろう、兄さん!」
まだ、大丈夫。
まだやれる。
だって、希望は残っているから。
※※※※※※
パーシー兄さん、か兄ちゃん、か迷った。
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