ドリーム小説
魔法203
ハリー1人に標的を定めた帝王は、呪文の掛け合いをしながらいつしか大広間へ。
抱えられた私は、教授が歩むに従いながら、彼に向けられる呪文を打ち砕く。
皆がハリーたちを見て、場所を空けた。
ハリーと、帝王。
二人が、対峙する。
手を出さないでほしい。
ハリーはそう言って
そんなことを言われれば、従わないわけには行かなくて。
大広間にいるものが、二人に注目する。
それはもちろん、教授に抱えられた私もなわけで。
交わされる会話。
固唾をのみながら見守る皆。
ハリーが生き残っているのはすべて偶然だと、帝王は言い放つ。
興奮してはなす帝王に対してハリーは非常に冷静で。
「今夜のお前は誰も殺せない。」
向き合いながら、距離を取り合いながら。
二人の会話は続く。
そして、
「___セブルス・スネイプは、お前のものじゃなかった。」
ハリーの口からその言葉が発せられた瞬間、広間にいた全員の目が、教授に向けられた。
「ポッター!!」
教授の記憶から得た情報の暴露を始めるハリー。
罰則を課す時のように名を呼び、叫ぶ教授
けれどそれはあっけないほどに無視されて。
何ともいえない視線が教授へ向けられる
「セブルス・スネイプはダンブルドアのものだった。」
ちょっとまった、異議あり!
「ちがう!セブルスは私のだから!!」
思わず叫べば教授に口をふさがれる。
もごもご。
周りからの視線はどんどん生暖かいものに変わっていく
「お前は一度もそれに気がつかなかった。それはお前が理解できないもののせいだ」
続いていく暴露話。
遠目に見える双子がものすごくいい笑顔をしている。
「リドル、お前はスネイプが守護霊を呼び出すのをみたことがないだろう?」
あ、レギュラスがにやにやするシリウスをしばいた。
凄くいたそうだ。
「スネイプの守護霊は、雌鹿だ。」
マクゴナガル先生が、口元を押さえて潤む目で教授を見ている。
教授は絶対目を合わせない。
「スネイプ先生は、全将来をかけて、僕の母を愛したんだ」
私を抱えたまま教授はうずくまった。
穴があったら入りたい、とはこのことなのだろう。
ただもう、この場所から消えたいのに、皆の視線を集め続けているためにそれすらできなくて。
帝王は教授がだれのものでもどうでもいい、と叫んだ。
思わず手を挙げて叫んだ。
異議あり!!
「だから、教授は私のっ」
もがもが。
教授はもうだまってほしい、と言わんばかりの表情で、私の口をふさいだ。
「ダンブルドアを打ち負かしたのはドラコで、ドラコを打ち負かしたのは、僕だ」
そんな中でも会話を続けるハリーは非常に強いと思う。
「杖の真の所有者は、僕だ」
ゆっくりと、二人は杖を向けあった。
「よかろう。杖をあわせてみれば、わかることだ。」
帝王は不適に笑う。
そんなわけはない、といわんばかりに。
「あ、そうだ、スネイプ先生」
帝王と対峙するハリーが教授を呼んだ。
無言で返事すらしない教授。
それにハリーは小さく笑って。
「母さんから、伝言。」
ぴくり、教授が揺れたのがわかった。
「あのときのことまだ怒ってるから、まだあいたくないわ。って。」
わたしに触れていた教授の手が、離れた。
「リリー」
小さくつぶやかれたその名前。
それはわたしを呼ぶときよりもずっと優しく聞こえて。
見上げた先。
教授の頬を一筋の滴が、こぼれた。
わたしもいるんだから、ちゃんとみてよ。
そんな気持ちになって、その頬を拭うように手を伸ばした。
と、
「エクスペリアームズ!!」
「アバダケタブラ!!」
ハリーと、帝王は、互いに呪文を発して、_____
残ったのは緑の瞳を持った、少年だった。
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