ドリーム小説
魔法204
あの決戦から数カ月が過ぎた。
闇の勢力は帝王がいなくなったことをきっかけに、弱体して多くが捕らえられて。
生き残った男の子は帝王を倒した少年に。
裏切り者である、と言われ続けていた教授は一躍有名人になった。
二重スパイをおこないながら、ただ1人を思い続けた、などという肩書きは、魔法界で引っ張りだこで。
今まで彼を否定をし続けた世界は、あっさりと手のひらを返したのだ。
再度校長の認についてほしい。
その提案を教授はばっさりと切り捨てて。
校長どころか、学校自体をやめることを選んだ。
インタビューに答えてほしい。
目を輝かせながら依頼にきた記者に無言で魔法を放って。
その目の前で扉をぴしゃりと閉めた。
決戦からこっち、びっくりするくらいに人気者になった教授は、それこそ、私との時間を作れないほどには忙しかった。
今だって、そう。
一年とはいえ、校長だった彼。
次の校長となる副校長に引き継ぐことは多く。
さらには多くの仕事を行っていた教授はしなければ成らない後処理もたくさんあって。
そのため彼は退いたはずの魔法薬学の執務室にまだ居座っている。
私も居場所も、もちろんそこで。
そしてその場所で、私は彼の帰りを待ちながら、目の前のハリーに見つめられていた。
柔らかくほほえむハリー。
この子も教授同様まだいろんな所に引っ張りだこのはずなのに。
なぜか突然この場所にやってきて教授に用事があるからと居座った。
ソファの上、テーブルを挟んで二人。
一言も言葉を発さないまま私を見つめてくる。
非常に気まずい。
目をそらしても突き刺さるような視線は感じていて。
この状況をどうするべきなのか。
解決策を見つけられずにいた。
「・・・」
気まずすぎる空間を破ったのは、彼の方だった。
名前を呼ばれたことにびくりと体が揺れた。
そういえば、呼ばれるのはいつぶりだろうか。
ぼんやりとしながらそんなことを考えて、そっとハリーをみる。
そうすれば、彼は穏やかに緑の瞳をゆるめていて。
「仲直り、しようよ、」
そう言ってハリーは私に手を差し出した。
なかなおり
その言い方が適切なのかどうか、私にはわからない。
だって、私はなにも知らないこの子に、たくさんひどいことを言った。
一方的に、私がこの子を傷つけたのに。
ハリーの手を、目を交互に見るだけで、なにもできない私。
ふわり、ハリーは笑う
「、僕は君とまたたくさん話をしたい。」
初めてあったときとは比べものにならないくらいに大人びた表情で。
「君とたくさん楽しいことをしたい」
温もりを、優しさを感じさせる動作で
「君と一緒に笑いあいたい」
深く深く、吸い込まれそうなくらいにきれいな瞳で
「でもね、いままでどうり、なんてうまく行かないのは知ってるんだ」
少しだけその色をかげらせて、表情をゆがませて。
差し出されていた手が、引っ込められた。
思わず、その手を、つかむ。
「私はハリーともっとたくさんお話したい」
あなたを傷つける言葉をたくさん使ってしまったけれど
「たくさん楽しいことをしたい」
あなたを助けてあげることなんてできなかったけれど
「いっぱい笑いあいたい!」
あなた以上に優先する人が今だって存在しているけれど
「ハリーっ」
あなたがまた私と一緒にいてもいい、ってそう思ってくれるなら
_ごめんなさい_
口から発そうとしたその言葉は、ハリーが私の口をふさぐことで止められて。
「僕も、たくさんにひどいこと言ったよ?」
私の口から手を離して、至近距離で緑色。
「スネイプをいつだって嫌いだっていい続けたし、疑わないときなんかなかった。」
瞳はゆらゆらと揺れて。
「僕はたとえダンブルドアがしくんだことだとしても、あの人を殺したスネイプを恨み続ける。」
私が大好きな人を、許せないと、彼は困ったように眉をへにょりと下げる。
「ねえ、、それでも、もう一回、友達になってくれる?」
小さくうなずいた私を、ハリーは満面の笑みでだきしめてくれた
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