ドリーム小説





 魔法24



「まったく!あいつらは・・・!」

きょーじゅが荒々しく部屋に戻ってきた。
雰囲気もぴりぴりしている。

私はきょーじゅが昼間に部屋まで持ってきた本を眺めていた。
(くでぃっちいまむかし、と言うタイトルだと思う。)
たしか、今日は管理人さんと話をするから手当てはいらないと言って出て行ったはずだ。
帰ってきたと言うことは話は終わったと言うことだと思うが、きょーじゅのこの機嫌の悪さは一体なんだろう。
いつもみたいに抑えた怒りではなく前面に押し出すような怒り。
正直言って、怖い。
こういうきょーじゅに出会ったのは初めてなので対処方法もわからない。
(・・・触らぬ神にたたりなし・・・だよ。)
そういう結論に至ると私は再び視線を本に向けた。
相変わらず文字を読むことはできないのだが、大雑把にこんな感じのことかなと考えられるようにはなってきた。
勘でやってることも多いので間違いも多いが。

いまだにぶつぶつと何かを呟くきょーじゅの姿を微かに視線に入れながらきょーじゅと私はお互いの時間を過ごしていた。





『きょーじゅはいない。私は一人。ここはどこ?』

夜の一連の騒ぎのあと見張りには行かないと言ったきょーじゅを置いて、私は道を散歩していた。
誰かに会えるだろうと思い何の気なしに探検したのが悪かった。
『・・・私は迷ったんじゃない。道が迷っているんだ。』
どうしようと思いながら道を徘徊していたら左右同時にぽんとたたかれた感触。
『っ・・・』
驚き固まる私の耳に聞こえるはよく似た声。
「はい!!」
「最近会わなかったけど元気にしてたかい?」
「・・・ふれっど、じょーじ・・・?」
その声の持ち主だあろう人物の名をそっと告げれば満面の笑み。
「「そうだよ、!!元気そうでよかったよ!!」」
人を見つけたことにほっとして、知ってる人物だと言うことに思わず笑みを浮かべて。
にこにこしている双子に飛びついた。

最近の近況報告をしてくれる彼らに相槌を打つ。
残念なことにきょーじゅはそういったことは教えてくれないのだ。

今告げられた言葉たちの意味を必死で理解しようとしていると双子は私を覗き込んできた。
その目に浮かぶは好奇心。

「・・・ねえ、?」
「何、です?」
「僕はどっち?」
「?・・・えと・・・ふれっど?」
それに2人は顔を見合わせて手を組むとその場で猛スピードでぐるぐると回りだした。
「へっ・・・?」
!僕はどっち?」
「・・・じょーじ?です?」
二人は再び顔を見合わせてしばらく考えるように見詰め合ってから、再び回りだした。
「ぇ、と・・・?」
!!僕はどっち?」

そんなやり取りを約10回ほどすると二人はついに笑い出した。
「・・・え?」
その笑ってる理由がわからなくて私はきょとりと首を傾げる。
それのどこがおもしろいのかわからなかったがさらに笑いは大きくなって。
!」
「君ってやっぱさいこー!!」
「ええ?」
「初めてだよ!」
「ここまで!」
「正確に!」
「僕らを!」






「「間違えるなんて!!」」






その言葉にしばし考えて、ようやく気づく。
「・・・私、なまえ、まちがえて、たですか?」

「「うんっ!!」」

「ご、ごめんなさいぃー!!」



















まよなかのみっかい 



どうやら間違えた名前をインプットしてたようでした。








フレッドだと思っていたほうがジョージ。
ジョージだと思っていたほうがフレッドです。









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