ドリーム小説





   魔法 26








『うあ!すごい、なんかよくわかんないけど、たっくさん箱がある・・・。』




今日は、クリスマス。

朝起きてそこにあったのは、たくさんの箱。
ラッピングされてリボンがついたそれらは見ているだけで心が躍る。


どきどきとしながらそれらの包みに手を掛け、はた、と気づいた。


『・・・こうやって渡すの知らなかったや・・・。・・・手渡しでいけるかなあ?』

プレゼントは手渡しするもの。
そんな考えだったため、皆に渡すはずのプレゼント(昨日作ったばっかりだ。)は未だに私の部屋にある。
考えていても仕方ないや、と早々に結論を出してラッピングを解こうとしていた手を引っ込める。

今身に着けていた服を普段着に着替えさらにガウンを羽織る。
とりあえず寒いのだ、この場所は。
机の上においておいたラッピングを一つ手に持って。

「きょーじゅー!」

ばたんと何の前振りもなしにドア(きょーじゅの部屋から見たらクローゼットだ。)を開ける。

もうすでに起きて服装まできちんとしていたきょーじゅはいつもと同じ渋い顔でこちらを見た。

「空ける前は一言声を掛けろと、何度も我輩は言っていると思うのだがね。」

そんな声が聞こえてきたがかまいはしない。

「めりーくりすます、です!」

「・・・なんだねこれは。」
言いながらラッピングを渡せば怪訝そうな顔。

「あけてあけて!」

ふにゃふにゃとしまりない顔で笑う私にふうと溜息を吐くと無骨な手でそれを開封していく。


「・・・甘い。」

一つ口に運ぶと漏らされた感想。

「これでも駄目、です??」

甘いもの苦手なきょーじゅのために甘さ控えめに作ったのだが、それでもまだ甘いらしく。
がっくりとして見せれば再び溜息。

「だが、食べられないわけではない。」

フォローの言葉は小さかったがしっかりと聞こえた。





「準備をしろ。」

部屋に戻りもらったプレゼントを物色しているとき(皆にいろんなものをもらった。双子からもらったいたずらグッズは今度きょーじゅで試してみたいと思う。)言われた言葉。

その言葉にきょとんときょーじゅをみる。

「なんの、です?」

「我輩からのクリスマスのプレゼントだ。」


かすかに口の端をあげて私を見ていた。
いつもではお目にかかれない珍しい表情に。


とくん


なんだか胸が音を立てた。











いきなりわらわないでください


 びっくりしますから








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