ドリーム小説










 魔法 29






「何でですか?!きょーじゅ!」

「これはもう決定事項だ。」

「ひどい、です!」

「なんと言われようと、撤回するつもりはない。」

「っ、きょーじゅ!」



「これからはこの場所から我輩なしで外出することを禁止する。」



そんなやりとりがあったのは、クリスマス休暇もとうに終わり、学校全体が熱狂したといわれるくぃでぃっちというものが行われてしばらくたったころだった。
(もちろんそれを見に行くことができるわけもなく、きょーじゅも審判をするだとかなんだかで部屋にはいなかった。ちなみに帰ってきたきょーじゅの機嫌は最悪でそれから1週間くらい私でも近づくのがためらわれるくらいだった。)

最近何があったのだとかそういう情報はあまりここから出ない私にはいってくるはずもなく、(ふれっどたちがたまに教えてくれるくらいだ)ただ昨日の晩にどらことはりーとあと数人が罰則を受けたということを聞いたくらいだ。


罰則が原因だというならば、どらこやはりーに何かあったのかもしれない。
そう思い理由を問い詰めてもきょーじゅは答えてくれなくて、部屋から出るなの一点張り。

さらには部屋を出る際に鍵を閉めていくという方法まで取り出した。

これでは本当に部屋から出ることができない。

いつもは何かしらの理由を教えてくれるのにそれすらなかった。
その理不尽さに、怒りがこみ上げる。

『きょーじゅなんか、・・・嫌い、だ・・・』

誰もいない部屋だからこそ余計にその声は響いて。
少しでも気を紛らわすためにあえて誰も聞き取れないであろう日本語を使う。

でも、『嫌い』という言葉を使えば胸がつきりと痛んで。
わけが解らないその痛みに、どうしようもない怒りに、ぎゆうと胸元を握り締める。


外出禁止令を出されてからきょーじゅと会話をしていない。


誰とも話さないその状況に、気が狂いそうになる。
寂しくて寂しくて、おきているのにあの夢が頭に呼び覚まされる。

くらい

  くらい
 
    くらい

まくらなせかい


何かが誰かが私をおいかける



こわいこわいこわい



助けて、___


助けを呼びたいその名前は___




こんこん

不意に叩かれた部屋の扉にびくりと体が震えた。

きょーじゅはノックなどせずにはいってくる。
こーちょたちは声をかけてくる。

・・・ということは生徒かほかの教職員だろう。

 _我輩がいないときは誰が来ても扉を開けるな_

頭の中で響いたのはきょーじゅの声。

『・・・わかってる、もん』

ポツリと呟いて扉を眺める。
その間もドアを叩く音は一定のタイミングでならされて。

「ミ、ミス、__い、いらっしゃい、ます、か?ミス、?」

合間に聞こえたのは自分の名前。
聞こえてきた声は聞いたことはあるがあまりなじみのない人のもの。

『・・・?だれ?』



「ミミ、ミ、ス、、わ、私、は、ク、クィレル、です・・・。」

クィレル

それは確か一人の先生の名前だったはずだ。
その先生が私に何のようなんだろうか?

不思議に思いながらも扉に近づいて取っ手をひねる。

あ、でも鍵かかってたよね

そう思う間もなく、扉はあっさりと開かれて。

『あ、れ?』

目の前には一人の男性。
頭にターバンを巻いた先生がいた。

「ミ、ミス、!よ、よかったら、お茶、でも、ど、どうかな?」

微かに鼻に付く匂いも気にならない。
私は今の監禁生活にもにたものに嫌気がさしてたから。

「行きます!」

私は二つ返事で頷いた。






 わるいのはきょーじゅなんですからね! 








私は悪くないって頭に浮かんだきょーじゅの顔を打ち消した。


















※※※
やっと話が進められた!









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