ドリーム小説




   魔法3


(・・・あったかい・・・。)

まどろむ意識の片隅。
そのあったかい物に無意識に擦り寄る。
今日はやな夢を見た。
だから余計に眠たい。

ぎゅうっとそれを抱きしめる。
(・・・ん?・・・やらかくない・・・? あれ、私何もってたっけ?枕元においてた、ぬいぐるみじゃなかったっけ?あれ?そしたらあったかいのはおかしくない?)
夢心地のまま鈍い頭を動かす。
と、

「_____!?」

(・・・何・・・?)

誰かの大きな声。
しかも至近距離。
聞きなれないそれに、理解できない言葉に、反応しようにも頭は動いてくれない。

頭が回転するのを待ってくれるはずも無く、抱きついていたそれにべりりとはがされる。
が、
「・・・さ、むい・・・。」
寒さには勝てず、はがされたにもかかわらず再びそれに抱きつく。
「___!?__!!」
慌てているように感じられる、それに気をかけることも無く、もう一度襲い来る眠気に身を預けた。








変な夢を見た。
ホグワーツ魔法学校魔法薬学教授、セブルス・スネイプはまどろむ意識の中そんなことを考えていた。
それと同時に感じた温もり。
始めは何も感じ無かったそれが、突然強さを増した。

(何だ?!)

夢心地だった頭が、体が、その感覚に急激に正常さを取り戻す。



「何だお前は!?」

驚き叫ぶが反応は無く、その人間はもぞりと身動きをしただけだった。
一瞬呆気に取られたものの、セブルスは慌ててその人間をべりりと引き離す。
が、
「・・・_、__・・・。」

何かよくわからない言葉をしゃべったかと思うと、再び抱きつかれた。
「っおいっ!?離れろ!!」

必死にはがぞうとするが、それは先よりも力を増しセブルスを抱きしめている。
しかもあろうことか、そのまま小さな寝息まで聞こえてきた。


「つっ、一体何なんだ!?」



その叫びに呼ばれて、この学校の校長がやって来たのは5分後のことだった。


(ん・・・、あと、5分・・・。)





    はじまりはべっどのなかでした。












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