ドリーム小説
魔法4
「・・・だれ・・・?」
二度めの眠りを堪能していると、急激にさめた周りには瞳を開けた。
目に入ったのは、白い豊かなひげを床まで伸ばしたおじいさん。
厳格そうな眼鏡の知的美人のお姉さん。
眉間に深い皺を刻んだ黒い人。
みんながテレビの中などでしか見たことの無いような長い服を着ている。
思考の止まっている頭で考えても答えが出るはずもなく。
おじいさんが口を開いた。
『 ?』
が、
「・・・?」
それは聞きなれない言葉。
ことりと首を傾げたにそのおじいさんは一度何かを考えるようにあごに手を当て、上を仰いで。
そして、一拍後白い服の中から一本の棒切れを出してきた。
『 』
何かを唱え、その棒の先をに向ける。
と、その棒の先から金色の光が溢れてくる。
「!」
びっくりして思わず目を閉じたにその光が降り注ぐ。
『 ?』
あいかわらず言葉の意味は解らない。
耳に入るのは音のみ。
その音は決して今のの状態を教えてくれるものではなく、ただ一方的に耳に入るだけ。
『 』
『 』
ゆっくりと覚醒してきた頭と同時におそいくるのは、恐怖と不安。
「ここ、ど、こ?何で、私、ここにいるの?」
声に出して言えども答えは返ってこない。
の状態を見ておじいさんがお姉さんに何かを言っている。
『 』
それにお姉さんは首をふる。
おじいさんは次いで黒い人に話しかけた。
その人がそれに頷く。
と、その黒い人がマントを翻し、その場から立ち去ろうとした。
遠ざかろうとする黒。
消えゆく温もり。
それらに言いようのない恐怖を感じて。
「・・・や、いか、ないで。」
思わず掴んだその黒。
振り向いたその人は一瞬だけ驚いていたようで。
だけどそれはすぐにわずらわしそうな表情に変わって。
『 』
何かを言う。
けれどもやっぱりその言葉はに理解できなくて。
だけど
ぽろりと無意識にこぼれた雫にその人はおもしろいほど慌てて。
ぎゅうとその黒色を抱きしめたら、あったかくて、優しくて。
落ち着く心とは裏腹に、雫は止まることを知らない。
(この人は私を決して傷つけない。)
根拠なんかなく、不意に浮かんだ考え。
なのにすとんと心の中に落ち着いたそれは、今のにとってもっとも信用のできるもので。
『 』
『 ! !?』
おじいさんが何かを言う。
それに黒い人は慌てて何かを怒鳴るような声を出す。
それを聞きながらさらに強く黒を握った。
けっしてわたしをきずつけないひと
それはただの勘だったけど。
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