ドリーム小説










魔法39














「・・・暇」


どうにもこうにも、暇だ。

どうしよう、どうしよう。

外にでてあれにあうのはイヤだ。

でも、今は授業時間。

その証拠にきょうじゅはいない。

「・・・遊びいく。」

ひょいと寝転がっていたベッドから起きあがる。



久しぶりに一人ででた廊下。



!」


まじで数分前の自分を呪ってやりたい。

なんで、今授業時間だろうが、

なんでおまえがいるねーん。

  まじありえない。


日本語で簿そりつぶやいた言葉はきっとこの人には伝わらない。


ずりずり、これから行くところがある、用事がある。

告げた言葉は見事に彼の中で良いように消費されたらしく。

用事とは私のところにくるところだろう?

そんな言葉とともに引っ張られていく手。

もう、本当に泣きたい。




「先生。」


きょうじゅよりも高い声。

でも、その男の子から男性に変わる最中であろうその声は
、不快には感じなくて。

つかまれて引っ張られていた腕。

それを柔らかな温もりがはずしてくれて。

目の前に広がる大きな背中。

高い背。

見たことのない後ろ姿に思考が止まった。


「ロックハート先生が授業が始まってもいらっしゃらないとクラスの子たちが騒いでいました。」


凛、と響く音。

それは柔らかく、私をほぐすように。

大きな背中の所為で見えないきらきらの姿。


ほっと心の底からの安堵の息を吐くと、そっと後ろに回されていた手がぽんぽんと頭をなでてくる。


なに、この人優しい!

体からほとばしる歓喜の感情。

頭に乗せられた手をぎゅうと握り返すことで示して。


「た、すかった・・・!」


あわてたように去っていったきらきらの先生を見送りくるりと振り向いた


「すごく、うれしい、ありがとう!!」


ぎゅうぎゅうと手を上下に降りながら興奮のまま言葉を紡ぐ。

だが言葉が不自由だと本当に不自由だ。

伝えたい言葉はちゃんと伝わらないし、想いはどこか遮られたようになる。


「役に立ててなによりだよ。気をつけてね?」

「名前!知りたい!なに!?」

颯爽と進もうとするその背中にあわてて声を上げれば


「セドリック、セドリック・ディゴリーだよ。」

さわやかな声とともにそんな言葉が返ってきた。

「せどりっく・・・」

相も変わらず外国人の名前は呼びにくい。

「セドでいいよ?」

「!セド!」

それに気がついて楽しそうに笑い返された。


「君の名前を聞かせてくれるかな?」

さりげない言葉だというのに、柔らかさからこちらに負の感情を抱かせることはなく。


って呼んで!」


それにふわり、きれいにほほえむセドリック。

「よろしくね、。」

そっと頭に乗せられた大きな手のひら。

温もりに顔が熱くなる。

するり、離れる熱を寂しく感じながらも、きれいなたち振る舞いに姿にどきどきとしんぞうがおとをたてた。


「またね、。」





















うわあ、もう!えらく男前だなあ!おい。







かっこいいひととしりあいになりました














※※※※

いつ絡ませるかどきどきしてた。



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