ドリーム小説
魔法55
「 !!」
消灯をすぎても帰ってこない小さな子供。
嫌な予感がして。
を探しながら廊下をさまよう。
そうしていれば突如訪れた真っ暗な世界。
ふつうではない。
気づくのは早かった。
そして、その原因にも。
”ものまね妖怪ボガード”
その人の一番おそれるものを映し出す。
この闇を一番おそれるのは、あの黒髪の少女
私がこの手でつかんでしまった少女。
通じない言葉
効かない魔法
理解できない言動
それでも、少女は私を求める。
闇に染まりきっているはずの私を、光だと笑う。
助けて、といつだって私に手を伸ばす。
だから、突き放せない。
小さな存在に、確かに癒される自分がいたから。
「!!」
名前を呼ぶ
暗闇の中、手探りで。
でもその小さな体は見つからない
小さく舌打ちを漏らす。
懐から取り出した杖であたりを照らす、その瞬間
「きょうじゅ、教授教授教授教授!!!_っすけて、セブルス、スネイプ!!!」
響いた悲鳴
痛みの混じる叫び
私の名前を呼ぶ、少女の姿
教授、ではなく。
私の名前、を。
必死に手を伸ばして、頬をぬらして、
全力で私を、求める少女
その存在に、どくりと心臓が音を立てた
ほかのなにでもなく、私を求める姿にひどく優越感を感じた
手を伸ばして、その手をつかむ。
出会った頃より、丸みを帯びた体つき
闇の中、その少女が輝くように。
私の腕の中に小さく収まる。
ぐ、っと握られたローブ
流れる涙。
そうして少女は私の腕の中で安心しきったように、意識を落とした。
まさか、そんな
何の疑いもなく、私を求めた少女に。
心臓が音を立てるなど。
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