ドリーム小説










魔法59




















ようやっと、外を出歩くのに恐怖心もなくなって、いつもみたいにいろんなところを徘徊できるようになった。

今日はハロウィンだから、みんなが沸き立っていて、にぎやかで。

みんなが大広間に行っているから、その間だったらうろついてもいいだろう。

自己判断で、徘徊している今の時間は、夜ではない。

まだどことなく明るい世界は新鮮で、足取りは、軽い。

身につけたスリザリカラーの制服がまるで自分を本当の生徒のように見せてくすぐったくて。

今日のお供はクルックシャンクス。

足早に、でも私をおいていかないように、ちらちらとこちらをみてくる。

とてもかわいい。

曲がり角、気分良く一歩を踏み出せば、目の前に緑色のネクタイ。

自分と同じ色。

でも、本当は違うもの。

あ、セブルスに怒られる。

一瞬でたどり着いた考え。

でも、それは次の一言で消え失せて。

・・・?」

聞き覚えのある声。

なによりも私の名前を知っているという事。

ゆるやかに視線をあげれば、金色のきれいな髪、そして不思議そうな瞳にぶつかって。

「ドラコ」

ぽろり、名前をこぼせば、ふわり、笑み。

そっと頭に手を乗せられて、柔らかくなでられて。

そのまま彼の視線は下に。

そして制服で止まる。

「僕と同じスリザリンだね。・・・似合ってるよ。」

「ドラコ、ありがとう、です。」

ほめてもらったならば、そのお礼を、自然にでてきた笑みとともに伝えれば、満足そうな瞳が帰ってきて。

「本当のスリザリン生みたい、です?」

くるり、その場で一回転してみせる。

「そうだね。いっそのこと、大広間まで一緒にくるかい?」

エスコートするかのように手を差し出されて、首を傾げられる。

素敵なお誘いだけれども、それに従うわけには行かなくて。

「大広間に行ったら、セブルス、怒る、ですからね。」

残念だけれど、さよならです。

そっと差し出された手に、キャンディーを乗せる。

そのままぎゅう、と握ってみれば、ドラコはきょとりとして。

「ハッピーハロウィーン、です。」

そう伝えれば、笑顔。

「じゃあ、僕からも。」

ごそごそとポケットに手を入れてドラコは何かを探す。

手を出して、そういわれて手のひらを広げれば、ころん、と色とりどりのチョコレート。

「今日ホグズミードに行ったからね。おみやげもかねて。」

ホグズミード。

初めて聞いたそれに興味をそそられたけれど、そろそろドラコを大広間に送り出さなければいけない時間。

「ありがとう、ドラコ!大事に食べる、ですね!」

そう伝えれば再度頭を優しくなでられた。








ハッピーハロウィーン






お菓子とお菓子と、























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