ドリーム小説










魔法62















「ハリー!スネイプ教授を呼んで!!」


ハーマイオニーの声。

響いた名前に、僕ら二人の考えはすぐさま一致した。


「ハーマイオニー!」

「僕らがつれていく!!」

人混みをかき分けてたどりついたさき、そこには想像道理、小さな姿。

自分を守るように抱きしめながら、体をふるわせる僕らの小さなお姫様。

ハーマイオニーの手には余っても、僕らにとっては簡単に持ち上がるくらいの小ささ。

抱き上げればびっくりするくらい軽くて、そして冷たくて。

かたかたと震えるからだをなだめるようになでてやる。

そうすれば、ぎゅう、とローブをつかんできて。

パーシーが大広間へ、と指示を出す。

その波に従って、僕たちも足を進める。

すぐ後ろにはハーマイオニー。

心配しているのだろう。

表情は暗い。

時折眉をひそめるのは、この子に向けられる悪意の言葉のせい。


_共犯者_


_進入の手引き_


ばかばかしい。

この子がそんなことができるとでも?

この子がそんな器用なことできるとでも?

それらに耳を貸さずに、前へ前へと進む。


たどり着いた先、大広間。

そこにはたくさんのふとんがならべてあって。

でも目的はそれじゃあ、ない。

ハーマイオニーがきょろきょろと辺りを見回す。

目的の人物を捜して。


残念ながら、僕らじゃこの子を慰めきれない。

今のこの子に必要なのは、僕らじゃあない。


見つけた黒ずくめの姿。

今すぐにでも大広間を出ていこうとするその姿。


僕らは声を合わせてその名前を呼ぶ。


「スネイプ教授!!」


煩わしそうに振り向いたその瞳が、僕の腕の中を見た瞬間、見開かれる。


・・・!?」


小さな、とても小さな声でつぶやかれたというのに。

腕の中の小さな体はぴくり、反応を見せて。



とんでもなく、悔しいけれど、かなわないなあ。


こちらへと向かってくる黒い男の人をみながら、一度、腕の中の彼女をなでた。




僕らじゃあ、ない





今必要なのは
























back/ next
戻る