ドリーム小説
魔法63
「スネイプ教授!!」
名を、呼ばれた。
この忙しいときになんだいったい。
そうおもいながら振り向けば、赤髪のウィズリー家の双子の姿。
煩わしい。
そう思い、無視をしようと、した。
したというのに。
その腕の中の小さな体に目が惹かれた。
ついで、その後ろ安堵の表情を見せるグレンジャーの姿も。
「・・・?!」
まさか
そう思いながらも足は勝手にそちらへと向かいだしていて。
踏みつける足下のふとん。
驚いたように道をあける生徒。
それらはどうでもいい。
赤髪の前、たどり着けば
その小さな体は震えていて。
「寮の前にいたんです。」
グレンジャーが。
「僕らが行ったときにはもうすでにこの状態でした。」
「遭遇したのかもしれません。」
赤髪の二人が、言葉を放つ。
それを聞きながらそっと、手を伸ばす。
「。」
名前を呼べば、びくり、その小さな体は震えて。
ゆるり、顔を上げて。
視線が、確かに私をみて。
そして、決壊が崩壊するかのように、その瞳から大粒の滴をこぼしだした。
「せ、ぶる、すっ、」
伸ばされた手が、首に回って。
私にすがるように身をのばして。
それを後押しするかのように、赤髪がの背中を押す。
「っ、ふぇっ、」
耳元で響く鳴き声。
押し殺すように、泣く姿。
それは、恐怖をこらえるように。
「こわか、っ、」
一度、二度、頭をなでて、体を抱きしめてやれば、さらにはすがりつく。
何度も何度も、名前を呼ばれて。
声が漏れる度になだめるようになでてやる。
いったいなにがあった。
聞かなければいけないことなのに。
そんなことよりも、泣きやんでほしくて。
大丈夫、大丈夫だ
何度も耳元でささやいた。
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