ドリーム小説










魔法65






















「セブルス。お昼に歩くの許す、でしたら、何かお仕事したいです。」



居候が学校公認となってから、早一週間。

外にでれば、生徒が構ってくれるようになった。

セブルスも不機嫌そうな顔をすれど、止めることはなく。

明るい城の中は、心の奥に刻まれた闇への恐怖を遠ざけてくれた。


けれど、皆には授業があって。

セブルスも先生なわけで。

つまり、昼間に校内を出歩けたところで、一定時間は一人になってしまう。


寂しい、ひとりは、怖い


そのたびに、和らげられたはずの不安は、あっさりと帰ってくる。



だから、思わず声を上げた。

授業へと向かう、セブルスのローブをつかんで。


おいていかないで、そんな気持ちを込めて。


簡単に引き離されて、却下の言葉があると思ったのに、セブルスは少し考えるようにこちらを見つめてきた。

鼓動が早くなるのを感じながらその瞳を見つめ続ければ、一つ、ため息。


「・・・いいだろう。」


告げられた言葉はまさかの許可。


「・・・本当、です?」


思わず聞き返せば眉間にあるしわが深まる。


「何度も言わせるな。」


不機嫌を詰め込んだ表情。

先ほどの言葉をひっくり返されては困る、とあわてて立ち上がれば、セブルスの腕の中にあった教材をぽい、と渡されて。


「ちょうどいい。ものを運んだり雑用くらいには使えるだろう。」


ずしり、腕の中の重たい教材。

でも、それは自分に与えられた仕事なのだと思うと、じわじわとうれしさが増していって。



「よろしくお願いします!スネイプ教授!」



返事もなくドアを開けてでていくセブルスを走って追いかけた。






















与えられた仕事









それは存在理由のように






















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