ドリーム小説
魔法7
あのあと、再びみんなの言葉の意味は解らなくなって、ちょっとなんか、落ち込んだ。
(言葉がわからないって、不便、だ。)
たぶん私のことで話をしているのだとは思うがそれでも、わからない言葉は不安になる。
ふうと溜息をつく。
さっきまでのが魔法なんだろうか。
言葉がわかった。
意思疎通ができた。
・・・そういうことができるのだとしたら元の場所に戻してもらえないのだろうか。
そもそも何故自分がここにいるのかそれすらわからない。
この人たちも知らないようだし、どうすればいいのかわからない。
こうちょうはここにいてもいいというよいうなことを言ってたし、(正確には、きょうじゅのところ)、ここを追い出されることはないのだろうけど・・・。
(かえり、たい。)
知らない人
見知らぬ場所
わからない言葉
それらはあまりにも突然のこと。
まるで瞬きをしたときのように、いきなり。
気づけばここにいた。
なんで、ここにいるのか
ここはどこなのか
解らない疑問
それにさわりと心が揺さぶられる思いになる。
これは恐怖というのかもしれないし、不安というのかもしれないはたまた別のものかもしれない。
でも、解ることは、わからないことばかりだということ。
じわり
溢れる涙は音もなく、先ほどなど比べ物にならないほどたくさん溢れる。
「〜っう〜〜〜」
ぎうとまぶたを手で押さえつける。
でも止まらなくて。
ふわり
優しく包み込まれる感覚。
『大丈夫ですよ。』
わからない言葉なのに、なんとなく意味が取れて。
思わずその人にすがりつく。
暖かい温もりが、嬉しい。
『 』
『 』
遠くで交わされる会話。
やっぱり解らないけど嫌な感じはしなくて。
あったかいここに少しならいてもいいと思えた
こうちょとふくこうちょが出て行って、残ったのはきょーじゅと私の二人だけ。
ぶつぶつと何かを唱えたきょーじゅはクローゼットに向かって棒を向けた。
クローゼットを淡い光が包み込む。
「。このなかに部屋を作った。ここで生活をしなさい。」
「あっ、意味がわかる。」
「・・・我輩自身に魔法をかけている。だが、長時間は話せん。必要なときだけこうする。・・・おまえ自身で言葉を覚えろ。」
「無理。」
「・・・」
言葉を覚えろというのは、無理な気がする。
だって私は、英語などわからない。
溜息をつききょーじゅは言った。
「我輩が時間があれば教える。」
「!きょーじゅ、優しい!」
「校長の命令だ。」
憎憎しげに答えられたが気にもならない。
きょーじゅが教えてくれるならがんばろうと思う。
「・・・きょーじゅ。これクローゼットじゃなかった?」
クローゼットを開けるとそこには一つの部屋があった。
このきょーじゅの寝室と同じくらいの大きさだ。
中に入ると(入り口がちょっと高かった。)ベッドが一つと暖炉。
本棚にクローゼットそれから机と椅子があった。
「・・・きょーじゅ。魔法ってすごいね。」
ここはまほうがっこうです
・・・外にでるにはきょーじゅの部屋を通るんだ。
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