ドリーム小説
魔法70
「ここがホグズミード・・・!!」
あたりに広がる魔法使いだけの街。
それはとても魅力的で、すばらしくて。
「、はぐれないように注意してね。」
興奮してはしゃぐ私を、つれてきてくれたセドリックが楽しそうになだめた。
始まりは前日のこと
「お給料、ですか・・・?」
校長室に呼び出されて。
そして渡されたのは魔法の世界のお金。
どうして?そう問えば、校長先生はにこにこと笑って給料だと、いった。
「セブルスの授業を手伝ってくれておるのじゃろう?立派なお仕事じゃからのう。」
半月めがねの先の瞳が、とてもきれいに瞬く。
「ちょうど明日はホグズミード休暇じゃ。好きなことに、使いなさい。」
ホグズミード、という耳慣れない言葉。
校長室からでて、何のことなのかと考えながら歩く。
と、
「危ないよ、。」
ふわり、消えた足下。
浮遊する体。
何事かと見渡せば、目の前の階段は消失していて。
そして腰に暖かな腕が回っていて。
ぐるり、そちらをみれば、困ったような笑顔がすてきなセドリック。
「セドリック!!」
ばっと、腕を広げて抱きつけばしっかりと抱きしめ返してくれる温もりに、頬がゆるむ。
フレッドとジョージは友人だけど、セドリックはまるでお兄さんみたいである。
「何か考えごとをするのはいいけど、足下には注意しないとね」
もっともな言葉にごめんなさいとありがとうを返して。
そうして、はた、と思い出す。
考えごとの内容を。
「ホグズミードって、なにです??」
そうして、冒頭に戻る
色とりどりのお店が並ぶ世界。
人々は皆、楽しそうにはしゃいでいて。
「セドリック、あれなに??!」
もちろん、私も例外ではない。
が、普段ほとんど運動しない自分がはしゃぐには制限時間というものがあって。
「・・・大丈夫かい?。」
ぜえはあ、と疲れきった呼吸をする私に、セドリックがいたわるように声をかける。
大丈夫、身振りで示して、少しだけ近くのベンチに座り込む。
「はあ、疲れた・・・セドリック、どうぞ、みてきて、です。私はここで休む、ですよ。」
ベンチでへたり込む私につきあわせるわけにはいかない。
そう思いながら言葉をかければ、セドリックは横に同じように座ってきて。
「構わないよ、。今日は君のエスコートするために来たからね。」
紳士だ、本当に紳士だ。
かっこいい。
ちょっと照れる。
ぽかん、と彼の顔を見つめれば、きょとん、とした表情が返されて。
ああ、そうか、これが噂に聞く英国紳士というやつか、と気づく。
「・・・ありがとう」
小さくつぶやけば、どういたしまして、と帰ってきて。
「セドリック、後一つだけ、行きたいところがあるです。つきあって、くれますか??」
今日の一番の目的で、一番時間がかかるであろうこと。
大好きな、あの人へのクリスマスプレゼント。
私の言葉にセドリックはもちろん、と答えてくれた。
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