ドリーム小説
魔法71
クリスマスの朝。
起きてみれば枕元にたくさんのプレゼント。
びっくりしながらも、それらの包みをほどいていく
カードに、鏡、髪留め、ハンカチにアクセサリー。
友人たちが、教授たちが、私のために、と選んでくれたそれら。
うれしくて、顔がゆるむ。
その中でもひときわ存在感を放つ、一つの包み。
黒一色で装飾されたその包み。
”S・S”
その名前で連想するのは一人しかいなくて。
「セブルス、だ・・・!」
包みを破かないように、慎重に開ける。
中からはさらに箱がでてきて。
ゆっくりとひらけてみれば、そこには、柔らかく時を刻む懐中時計。
ぶわり、先ほどの非ではない喜びがわきあがって、思わずセブルスの部屋に駆け込む。
うるさい音をとがめるような視線。
それをものともせず、セブルスに抱きつく。
「っ、ありがとう!!セブルス!!」
がっちりとした男の人の体。
薬草のにおい。
どれもがとても愛しくて。
「私からも、メリークリスマス、です!!」
ポケットに入れていたプレゼント、それをぐっと押しつければ怪訝そうな表情。
「あける、ですよ!!」
開けるのを促せば、ため息とともに開けられていく包み。
そして、中から現れる___
「懐中時計、か・・・?」
作りこそちがえど、セブルスに、と選んだのは懐中時計。
彼が常に身につけられるものを、と考えて、其れを選んだ。
計らずしも同じものを送りあった、その事実に興奮するのは仕方がない。
「大事に使う、ですよ!」
抵抗されないのをいいことに、ぎゅうぎゅうと、抱きつき続けた。
大好き、だいすき、だいすき
あなたのことが
※※※
ちなみにほかのみんなには、手作りお菓子、和菓子と洋菓子の詰め合わせ。
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