ドリーム小説
魔法79
「ここにいてもいいと、言ってくださったんだ。後少し、甘えさせてほしい」
ルーピンは、そういって笑った。
彼は今年いっぱいで闇の魔術に対する防衛術の先生を辞めることになった。
でもホグワーツには居座るようで。
とある寮の副寮監みたいなポジションに収まるということだ。
あの後、ハーマイオニーが少しだけ教えてくれた。
ルーピンは満月の光で狼人間になってしまうのだと。
あのとき私が持っていった薬がないと、自我がなくなって、私たちだっておそってしまうのだと。
とても、とても難しい薬で、だからこそこの学校では教授しか調合できないのだ、とも。
ここ一年の教授の調合を思い出す。
教授はたぶん、調合自体は楽しんでやっていた。
持っていくのはすごくいやがっていたけれど。
難易度の高い調合ほどあの人は生き生きしている気がする。
だから、嫌々ながらもルーピンに薬を作り続けることを了承する教授の姿が簡単に浮かんできて、少し、笑った。
「また地下におじゃまするつもりだから、あそぼうね。」
同時にいやがる教授の姿も浮かんできたのだが。
「「!新学期にまた!」」
双子がサウンドで、叫んだ。
「またね、。」
ハリーがにっこりと笑って。
「手紙書くわね!」
ハーマイオニーがロンと一緒に手を振って。
「休暇、楽しんでね。」
セドリックが頭をなでてくれて。
「教授に迷惑をかけるなよ」
ドラコが注意するように言葉を発して。
「またね」
ルーナがふわりと手を握ってくれて。
ほかにもたくさん、たくさんの人が手を振ってくれて、私を呼んでくれて。
去年とは違う。
学校公認の居候になった私は、みんなに柔らかく受け入れられたようで。
たくさんの声。
私をみてくれるまなざし。
長いようで短かった一年が、またすぎた。
環境にも、気持ちにも。
たくさんの変化を伴って。
「帰るぞ、。」
ホグワーツをでたところで教授が腕を差し出してくる。
はじめから、いくことを許された彼の家に向かうために。
眉間に寄せられた皺。
でも、不機嫌そうではない。
私を呼ぶ声。
穏やかな優しい色。
私は、この人が好き。
大好き。
一番変わった、この感情に、私はこれからも振り回されるのだろう。
それでも、きっとこの人のためにありたいと思う心は変わらないから。
「よろしくです、教授。」
差し出された手を無視して、その身体に飛びついた。
※※※
とりあえず三巻終わり。
次はゴブレット!
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