ドリーム小説














 BASARA16






「deliciousだろ?。」

「はい。すごくおいしいです!」



(・・・何でこういうことになったんだっけ・・・?)



場所は政宗の執務室。

時は、日が頂点から傾き始めたくらい。

は政宗に頼まれたお盆を持って、政宗のところに向かっていた。

お盆の上には、二つの湯のみにお茶の入った急須。

それだけでいいといわれたので、はお茶菓子もつけず運んでいた。

部屋に着き、お盆を下におき政宗の名を呼ぶ・・・



「まさ・・・。」



「Come in!。」



前に、それは政宗の声によって遮られた。

「・・・失礼します。」

最近では、当たり前のように政宗はが来たら声も待たず、入室の許可を与える。

(別にいいんだけどね。)



入って政宗の前にお茶を置く、と、は辺りを見渡した。

その様子に政宗はどうしたのか、と声を掛けた。

「?小十郎様はいないのですか?」

「Ah〜?何で小十郎なんだ?」

「だって、お茶は二つだと聞きましたので、もう一つは小十郎様かと思ったんです。」

そう言いながらいまだにきょろきょろと辺りを見るに政宗は吹き出す。

「くくくっっ!おまえほんっとintarestingなヤツだなぁ!」

「何で笑ってるんですかっ?!」

笑われたことに、がんっ、という効果音がつきそうなくらいにのけぞったは慌てて言い返した。

「なんかお前、rabitみてぇだ。」

「らびっ・・・なんでうさぎですか!?」

それには答えず政宗はを目の前に座らせる。

「俺の傍にはいつでも小十郎がいると思ってるだろ?」

「違うんですか?」

「・・・小十郎に用があれば、俺んとこ探しにくんだろ。」

「はい。だって、私の中の小十郎様は常に政宗様を追いかけているイメージですから、政宗様を見つければ自動的に小十郎様も見つかるかと・・・。」

「・・・・・・うれしくねぇ。」

そう言って、政宗は溜息をこぼした。



「それならば何で二つなんですか?」

こぽこぽと熱いお茶を政宗の湯飲みに入れながら、は尋ねた。

「あぁ。お前の分だ。。」

「あぁ。私のぶんで・・・?!」

あっさりと言った政宗には納得しかけ、そして納得することじゃないと気づき政宗を凝視する。

(・・・やっぱり綺麗なひと・・・。)

まったく違う方向に意識が飛びかけたのをは慌てて首をふって元に戻す。

「Shall we have a cup of tea?」

聞きなれてきた、政宗の綺麗な発音の英語には答えた。

「いいんですか?・・・でも仕事中で・・・」

「Don'worry!話はすでに喜多に言ってある。」

「そう、ですか?」

としてはお茶はしたいのだが、なにぶん最近のことがある。

(・・・またサボってるっていわれるかなぁ・・・。)

そんなことを考え、どうしようかと思っているの目の前に緑の物体が出された。

「・・・?」

不思議に思い顔を上げたそこには、不適に笑う政宗の姿があった。

「俺が作った、sweetだ!味わって食べろよ?」





そして、冒頭に戻るのだ。






政宗にわたされた緑色の物体、基、sweetは『ずんだ餅』と言うらしい。

あんこの代わりに緑の物が入っている。

政宗曰く枝豆らしい。

は甘いものがとても好きだ。

無意識であろうふにゃりとした笑みに政宗の瞳も自然和らいでいる。

「おいしいです!政宗様!政宗様はお菓子作りも上手なんですね!」

器に乗っていた、10ほどもあったそれが、どんどんの中に消えていく。

「All right!だが、・・・太るぞ。」

ぼそりとつぶやかれた言葉には過剰に反応し手に持っていた、7個目の餅をそっと器に戻した。

再び笑い出した政宗に今度はが溜息をつく。

「・・・政宗様の作るお菓子がおいしいのが悪いんです。」

ぽつり、とがこぼした言葉に政宗は大きく眼を見開き、そして、笑った。



「thanks you.。」



それは、とても綺麗な笑顔だった。






















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