ドリーム小説
BASARA23
「・・・巴夜深ってだれ?・・・。」
その言葉には足元が崩れて行くような感覚に襲われた。
「な、に、いってるの?巴夜深にぃ、は、お父さんの、兄の、こども、でしょ?」
「・・・姉?僕のことからかってるの?父さんのお兄ちゃんに、子どもは、いないでしょ?」
(おか、しい・・・。どこかがおかしい。何で、巴夜深にぃのこと、わかんないの?)
弟の灯兎は、嘘をつくような子じゃない。それは、が一番よくわかっていた。
しかも巴夜深との関係は、決して浅くは無い。幼少の頃より共にいたのだ。
特に灯兎は仲がよかった。
(な、のに、なんで、知らないって顔してるの?)
「姉?・・・僕のことからかってるの?」
むっとした顔で尋ねてくる弟にはそれ以上何も言うことができなかった。
おかしいのは弟なのか、はたまた、自分なのか。今のには知る術は無く。
(友達ならわかるはず・・・。)
巴夜深は、担任だったのだ。
クラスメイトなら知ってるはず・・・。
そう思いは友達に連絡を取った。
が、受話器の向こうから聞こえてくる答えは、巴夜深という人物を否定するものばかりだった。
帰ってきた、両親に聞いてもそんな人は知らないと言う。
(どういう、こと?・・・。)
私だけが覚えているのか。・・・それとも、この記憶が間違いなのか。はどうしようもない感情に支配されていく。
「・・・なんで、みんな知らないの?・・・」
それよりも・・・
(巴夜深にぃは、ほんとにいる、の?)
(私は夢を見てる、の?)
ふわり
昼間に感じたものが再びを襲った。
急速に色をなくす世界。
脳裏に映る知らないはずの景色。
青い空、満天の星。そして、
隻眼のあおいひと
それは、夢か現か。
かちり
かけていた最後のピースが嵌まるようにの記憶は鮮明さを取り戻す。
よく考えればわかることだった。は雷に打たれたはずだ。
しかも、ここに帰ってきた記憶も無い。
つまり
(今、が、夢だ。)
その考えに至った時は再び白い闇に取り込まれていった。
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