ドリーム小説
BASARA38
「・・・お二人とも、どうしたんですか?」
は大変こまっていた。
政宗に頼まれたクッキーを作り上げ、喜多に託し、自身は仕事に戻ろうとしていた。
そんなの前に現れたのは先ほど別れたばかりの成実、そして綱元だった。
二人はの行く手を遮るように立っている。
そのせいでは仕事に戻れないでいるのだ。
「ん〜?別にどうもしてないんだけどね。ちょっと、ちゃんに会いたくなっただけだよ〜。」
「成がいきなりに会いたいといって走り出したんだよ。」
「んなっ!んなことしてねぇ!!」
「またまた、恥ずかしがって!」
「ちげぇ!!」
「こんなこといってるけど本当はね・・・」
いつかのようなやり取りが始まる。
それを呆気にとられたように、眺める。
と、
二人の向こうから足音が聞こえた。
その音に目の前の二人の顔がにわからない程度に険しくなった。
何気なく目をやったの瞳に映ったのは、いるはずの無い人物。
「!!」
その声に
その姿に
その言葉に
思考が止まった。
近づいてくるその人からを守るようにして立つ二人が見えないかのようには歩き出す。
引き寄せられた体がぬくもりに包まれる。
耳元で何度も何度も名前が呼ばれる。
強い力が、これが現実だと示す。
懐かしい温もりがそこにあった。
「は、やみ、にぃ・・・?」
(いる)
襖を開け部屋から走り出る。
確信があったのだ。
ここにいると。
それは佐助が持ち帰った情報からだけでなく、どこかで感じていたもの。
不確定なはずのそれなのに、確信している自分に苦笑する。
でも、いるのだここに。
それは勘と呼ばれるもの。
それは巴夜深にとってこの世界で自分として自分を作り上げるための最大の武器。
当てずっぽうとしか言いようの無いそれを頼りに探すは巴夜深にとってとても大事な子。
たどり着いた廊下の先二人の男に守られるようにしてそこにいたのは探していた人物。
「!!」
叫んだそれに彼女の体が揺れる。
彼女を守るかのように立ちはだかる二人の男。
どうやってよけようかと思案する巴夜深の前でその拘束から出てくる少女。
引き寄せたその体に
体温に
懐かしい雰囲気に
体が震えた。
何度も何度も呼ぶその名に
「は、やみ、にぃ・・・?」
「やっと、見つけた・・・。」
大切で大切で何よりも愛おしい 大事な女の子
『弱いくせに、必死で何かを守ろうとして、怖がりの癖に強がっていて、小さいくせにたまに自分より大きく見えたりして。
どうしようもなく愛しい存在なんだよ。俺にとってあいつは。』
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