ドリーム小説








BASARA42







再び、戦地へと向かった、主。

今回は、真田との連合軍。

対する相手は、豊臣らしい。

大きな戦に広がる不安。


でも一番前回と違うのは、巴夜深がここにいてくれること。


〜。」

「何?巴夜深にい。」

政宗の部屋を掃除しながら縁側に座る、巴夜深と話をする。

「お前、雷に打たれたんだよな?」

「うん。巴夜深にいは、交通事故だったけ?」

「・・・ちがう。炎だ・・・。」

「え?」

ぼそり呟かれた言葉が聞き取れなくて、聞き返すが、巴夜深は曖昧に笑う。

「ああ、なんでもない。気にするな。それで、すぐ政宗公に拾われたのか?」

「ううん。始めは城下にある団子屋さんの女将さんに拾ってもらったの。そのときこの世界のこと何にも知らないから、記憶喪失ってことになってたけどね。それから、喜多様という人の紹介で、このお城で働けることになったの。・・・にいは?」

「俺は、目覚めた場所が戦場でな。目の前で幸村が、大勢の敵に囲まれていたから助太刀したんだ。そしたら、俺を命の恩人だとか何とか言い出してな。んで、この腕を買われて今では、幸村の護衛をしてるよ。」

「すごいんだね、巴夜深にい。・・・人、殺したり、したの・・・?」

それに、巴夜深は一度動きを止め次いで笑った。

「大丈夫だ。俺は人を殺してねえよ。」

「そ、か。うん。そっか。」

ほっと息をついた


は政宗公付きの女中だっけ?」

「うん。いい人だよ?政宗様・・・私がこの世界の人間じゃないって、ばらした時に最初に受け止めてくれた人、なの。・・・巴夜深にいは、話したの?違う世界の人間だって。」

「あ〜・・・。まあ、話した。・・・佐助が俺のことをあんまりにも信用してなかったから、な。どうせだから全部言っちゃえと。そうしたら、佐助、どうりで違う匂いがしただとか言い出すしね。」

「・・・匂い?」

「ああ。匂い。、この町で一度佐助と出会ったろ?」

「うん。」

「そん時にな、俺と同じにおいがするやつを見つけたと言っていたからな。・・・だと思った。」

「何で、私だと?」

「ん?俺の勘、だよ。」

「・・・会えて嬉しい。」

の本音に巴夜深も微笑んで答えた。

「俺もだ、。」





「なあ、。」

「何?にい。」

再びの問いかけ。

でもどことなく先ほどよりも声が堅い。

「お前、元の世界に帰りたいか?」

「・・・え?」

突然の問いに、動きが止まった。

「お前は元の世界に帰ることを、望むか?」

「わた、しは・・・。」

繰り返されたそれに、すぐに返すことはできなくて。

の脳裏に浮かぶは、父や母、弟に、友人たち。

けれども同時に、この世界で出会った人たちの姿も浮かんできて。


もっと前であれば、すぐに返せたであろう問い。

すぐに返せないのは、頭に浮かぶのは、


「・・・。この世界のヤツを好きになんのは、止めとけ。」

「っ・・・。」


の心の中を覗いたかのようなタイミングのよさ。

動揺するに巴夜深は溜息をつき続けた。

「帰るのは無理だ、と確かに俺は言った。だが、それは甲斐で得た情報だ。もっと別の土地に行けば見つかる可能性がないとは言わない。

・・・下手に期待することも、させることも、酷だ。」

それは本当に、不確定な話。

見つからない可能性のほうが大きいであろう。

それでも、この世界では異端者であるこの身を、この世界に依存させるわけにはいかない。



頭で理解してはいる。

してはいるが、心がそれを理解しきることを、拒否しているかのよう。




。ちゃんと考えろ。」

何も答えられない私の頭を撫でると、巴夜深はそう言って、去っていった。


はその場にへたり込む。

「・・・どうしろと、言うの・・・?」






政宗たちが戦に出て、数週間後のことだった。

「伝令!!伊達、真田の連合軍は豊臣秀吉を打ち、勝利!しかし、伊達政宗様が重傷とのことです!!」

頭を鈍器でたたかれたようになった。












政宗様の出番がない・・・。





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