ドリーム小説











 BASARA48






はやくあなたの瞳に私を映してください。

はやくあなたの声で私の名前を呼んでください。

はやくあなたの腕で私をこの場所につなぎとめてください。

はやく はやく目を覚ましてください。



ここは政宗の隣の部屋。

に巴夜深、佐助に幸村、そして成実がいた。

政宗の部屋では医師が政宗を診ていて小十郎がそれについている。

「この薬は俺様にもよくわかんないんだよね〜?」

目を微かに瞬かせて佐助は言う。

「ふむ、佐助にも解らぬのか・・・」

「俺らんとこの忍隊もこの薬で眠ってたみたいだしね。」

佐助が微かに吸い込んだだけのその薬は思いのほか強かったらしく毒に慣れているはずの佐助すら立つのがやっとであった。

幸いだったのはそれがただの眠り薬だと言うことで、体には眠くなる以外の症状はなかった。


それらの様子を見ていたはそっと隣に座る従兄弟をみる。

それに気づいた巴夜深もを見返した。

「・・・ねえ・・・巴夜深にい。あの薬って・・・」

「奇遇だな。俺も今お前と同じことを考えていた。」

小さな声で交わされる会話。

それに気づいた成実が二人に向き直る。


「二人とも、何か知ってるの?」

問われた言葉に微かに躊躇したではなく巴夜深が答える。

「その薬は、俺らの世界のものかもしれない。」

も思っていたこと。

菫はたちと同じ世界の人間。

彼女が何も持っていなかったとは限らない。

つまり、彼女がこの世界に持ち込んだの世界のものがこの場所で武器として使われている、ということ。


それは正直言ってとても怖いことだ。

世界は過程の上で成り立たなくてはいけない。

結果がそこにあってしまってはいけないのだ。

それらがとばされこの世界にあるはずのないものが


過程を飛び越えここにある

「私たちの世界のもの。それを彼女がこの世界で使っていると言うことだと思います。」


「・・・つまり、俺様が解らなくても当たり前ってこと?」

「そうだ。まあ、俺が知ってるものに比べたら威力の違いはあるがな。」


がらり政宗の部屋との仕切りが開けられる。

そこから小十郎と医師が話をしながら出てきた。

「政宗様の容態は変わっておりません。ですが・・・目覚めなければどうなるかは・・・。」

「・・・そうか。」

そんな会話が聞こえてきて、体が強張る。

嫌な想像ばかりが頭に浮かぶ。


握り締めた手が汗ばむ。

どうしようもない気持ちを痛みを、その手で握り締めるかのように。

そっと手がぬくもりに包まれる。

微かな重みを頭に感じる。

「大丈夫だよ。ちゃん。梵は大丈夫。」

「成実様・・・。」

「そうそう。独眼竜の旦那がそんな簡単にくたばるわけ無いよ〜。」

「猿飛様・・・。」

そう言って優しく頭をたたく感触。

「・・・猿飛。」

「うわ怒んないでよ、旦那!」

猿飛と成実のやり取り

「大丈夫でござるよ。政宗殿は殿をおいてはいかぬ。」

「真田、様・・・。」

。お前が信じなきゃどうすんだ?政宗公はお前がこの世界にいたい理由、だろ。」

「巴夜深、にい・・・」

。政宗様の傍に。」

「小十郎、さま・・・。」

決定打となるは小十郎のその一言で。



  そう、私はここにいたいんだ。
 

 私はここに、政宗様の傍にいたい。
 

       大丈夫。


   政宗様は必ず目を覚ます。


 それまでに私は私にできることを。


小十郎たちが出て行った部屋。

いるのはと眠り続ける主。


政宗から預けられている短刀を胸元からだし政宗の枕元に置く。

そっとその体に触れて、温もりに安心をして。

そうして枕元でそっと囁く。

政宗様 と。

はやく 起きてください。

(みんながあなたを待っています。)

いまだ開かぬ瞳にそっと口付けを落とした。







時は留まる事を知らず


「伝令!!複数の場所で、原因不明の爆発!さらには正体不明の軍が城に迫って来ているとの情報が!!」


時代は確実に流れていく。













政宗が足りない・・・。
佐助が出張ってる気がする。愛ゆえに。









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