ドリーム小説














 BASARA49






「ひで、よし・・・。」


たどり着いたそこにいたのは首のない親友。

紅に沈むその姿はあまりにもあかく僕の心を染め上げる。

その首を持つのは若き竜。

奥州を治め最近頭角を現したばかりの若輩者。

はっきり言って、僕らの、秀吉の敵ではなかった。


僕の計画が崩れるはずはなかった。


たった一つの誤算はこの体。

もつと思っていた体は崩れ落ち激しく心臓は波を打つ。

まさかここまでがたが来ていたとは思っていなかった。

症状が悪化したのは夜半過ぎ。

近くまで迫った伊達と真田の連合軍。

その作戦を練っているとき。

崩れ落ちた体に鞭を打つ僕に休めと声を掛ける秀吉。

いつもであれば突っぱねるそれらだが、そのときはそれができるような体ではなく。

その場に残ろうとした僕が最後に見たのは最近部下になった1人の少女。


穢れ無きその身を僕の命により赤く染めた。

この世界ではない場所から来たと言う彼女は僕にとっての最後の駒。

そう、切り札。

彼女の世界の、否この世界の未来からきた彼女が所持していた薬。

それは僕の体にも効果はあった。

そのため安心してしまっていたのだ。

彼女の薬によって僕の体は生き残ることができると。

そんなことは無いのに。

彼女の薬にはさらに興味深いものがあった。

たとえば痛み止め。

たとえば睡眠薬。

それらを改造すればさらに効果は大きくなり、どんなに訓練された忍びであろうと半日は眠りに落ちるであろう薬を作り出した。

彼女はそれを僕に使ったのだろう。

威力は小さかったが弱る僕の体には十分で。



そうして目が覚めれば秀吉の首は討ち取られた後。

「僕がそばについていればこんなことにはならなかった。僕の体が・・・」

「はっ。負け惜しみか?」

政宗の言葉に一度目を閉じるとゆっくりと開く。

「そうとられてもかまわないよ。僕がもっとしっかりしていればこんなことにはならなかったのだから。」

「・・・何が言いたい・・・。」

低い声でうなるように出された声。

こんなことで動揺するのではまだまだだ。

秀吉はこんな彼にやられてしまったのか。

「僕は君に聞きたいことがある。」

「What?」

理解できない言葉は雰囲気で感じ取り。

「・・・理解できる言葉ではなしてほしいんだけどね。・・・なんで君はあの子を利用してないのかと思ってね。」

さて君の一番恐れることは?

「Ha?利用?何のことだ。」

何を言ってるんだこいつ、と言う顔で見られて。


「あれ?まさか知らないのかな?」

薄く笑いを浮かべて僕は再び口を開く。


「君のところにいる、異世界の、否、未来から来た少女のことだよ。」

本当に知らないのであろうその驚いた顔にこぼれる笑いを抑える気も無く。

思っていたことは今の様子で理解できた。

「知らないようだね。それじゃあ、もう君には

            よ う は な い 」



彼女の助けにより眠りに落ちた独眼竜に止めを刺す前に現れた彼の腹心に仕方なく姿を消す。



そうして向かうは新たな勢力。




少女のことを出したとき微かに歪んだ顔に、解ったこと。
 
          そう。

  それならば、彼が最も恐れるであろうことを。

        僕と同等の悲しみを。





「貴殿は珍しいものを集めるのがお好きだとか。」

「ふむ。間違いではないね。」

「異世界の少女に興味はありませんか?」

「・・・異世界?」

「奥州に異世界から・・・未来から来た少女がいると。」

「ほう。それは大変興味深い。して、卿がのぞむものは?」

「奥州の滅亡を。」



「・・・ふっ、よかろう。皆に伝えよ。奥州に攻め入る。宝を手に入れに、な。」











ひでよし ひでよし 君がいなくなった事はあまりにも大きな出来事過ぎて

まだ理解が追いついていないんだ。

君がいないことを信じれくれない。

ひでよし なぜ答えない?

ひでよし 君は今どこに?

君がいなくなるくらいなら僕が消えればよかったのに。

君がいないのなら僕がここにいる意味なんて無いのに。


僕の手に残った最後の駒を捨てることさえいとわない。
 











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