ドリーム小説
無色透明 6
「ねえ、もう一つ聞いてもいいかしら。」
穏やかな声。
発生源は考古学者
「何を、」
問いかけようとすれば、突如目の前に現れた誰かの、腕。
それは柔らかな風と共に、私にふれる、はずだった。
けれど、私に近づいた瞬間、簡単に形は崩れ、ゆらり、空気に揺らいで。
「あなたには、悪魔の実の能力が、効かないのね?」
疑問文でありながら、ただ肯定を求める言葉。
それを偽る必要などなくて、一つ、うなずいてみせる。
「ゴムゴムのっ___」
「ちょっとまてルフィ!!」
「あんた何をっ__」
響く声。
同時に、衝撃。
痛みを感じる前に、体は簡単に吹き飛ばされて。
「ちゃんっ!!」
次に温もりに包まれる。
「バカルフィ!!」
ぐるぐると回る視界と思考の中、認識できたのは、オレンジに叩かれる麦藁帽子と私を支える誰かの腕。
ゆっくりと見上げれば、金色。
優しい光の色。
「大丈夫かい?」
心配そうな瞳には、頬を赤くした私が写っていて。
「だいじょうぶ、」
ゆっくりと口を開けば、少しだけ痛みが走る。
「ありがとう、サンジさん。」
ほっとしたように彼は口元をゆるめる。
「大丈夫かっ!?」
トナカイがあわてて駆け寄ってきて、心配そうにのぞき込む。
それに笑ってみせればトナカイも小さく息を吐き出して。
「つまり、悪魔の実の能力は効かない。けれど__」
「通常攻撃には弱い、っていうことか。」
考古学者の言葉に緑色が続いて。
私のうなずきによって、それが事実だと証明された。
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