ドリーム小説
無色透明 7
いろんな知識を深めたい。
何か本とかを貸してもらえないか。
この船の頭脳ともいえる彼女たち二人に申し出れば二人はあっさりと承諾して。
一緒に寝起きさせてもらっている女部屋。
そこにある本などに触ってもいいと許可を受けた。
この麦わらの一味の一員になって数日が過ぎた。
その間、自分の持ちうる知識を広げ、自分の世界へのきっかけをつかむため様々な書を読みあさり、新聞に目を通して。
その合間に見つけたのはなぜかばらばらに放置される領収書。
この世界にもあるんだと思いながら購入物を眺めれば、だいたいの人物がわかるわけで。
きっとオレンジ色の彼女に領収書をもらってくることを強制させられて。
でも隠すようにおいてあるということは、つまりそういうこと。
書物を読むのに疲れていたため何のきなしにそれらを整理し出す。
ついでとばかりにあいている紙にそれらを書き出し、簡単に書類を作成。
この世界に来るまでの癖というか、職業病というか。
事務関係のアルバイトをしていたため、こういうことは結構好きだ。
深く考えることもなくさくさくとそれらを作成している、と
「!」
突然後ろからの大声。
誰もいないと思っていたため驚いて立ち上がれば、がしり、肩をつかまれて、くるり体は反転。
目の前、それも至近距離できれいな瞳が二つ。
「ナミ、さん?」
驚いたけれど知っている相手なのでどうしたの?と問いかければきらきらと瞳は輝きをまして。
「!今からあなたを麦藁海賊団、非戦闘員兼事務員に銘々するわ!」
非戦闘員って・・・。
いや、それよりも、
「事務員?」
「そう!ずっとほしかったのよ!私やロビン以外に、計算とかできる賢い子!」
言外にほかはみんなバカだと告げていることに気づいているのか、いないのか。
ぎゅう、と抱きしめられて、きゃーきゃーと耳元で響く楽しそうな声
豊満な胸に少しドキドキしながら彼女が喜んでくれるならば、まあ、いいか、と。
この船での役割を、なんとなくでも手に入れたことに、少しだけ、ほっとした。
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