ドリーム小説
















towa 10




高校生活が始まって、初めての休日。


バイトもお休みな日。

は悩んでいた。



「・・・冷蔵庫に何もない。」


そう、家の冷蔵庫に食べ物がなくなったのだ。
面倒だったので買い物に行かなかった自分のぐうたらが原因だが。
はひとつ溜息をついた。


「・・・仕方ない、買い物行くか。」


かばんに財布だけ入れて家をでる。




目指すは駅前にある大きなスーパー。
日用雑貨から食料品まで結構そろっていて、なかなか使い勝手がよいのだ。
幸いの家からもそう遠くはない。
難点を挙げるとすれば、駅前なので人がすごいということだ。





「すごい人だ・・・。」
もともと人ごみが大嫌いなはその光景を見てげんなりとした。
4月にしては少し熱すぎる気温も手伝って、その人ごみに入るのを躊躇させる。


それでもこの中に突入しなくては、今日のご飯は獲得できない。
・・・というのは言いすぎだが、どちらにしてもここまで来たのにコンビニに入るというのも癪だ。


「仕方ない、か・・・。」

再びそのスーパーを見やり溜息を落としてはゆっくりとその雑踏の中に足を踏み入れた。



中に入れば日差しの分か幾分か過ごしやすくほっと息をつく。


今日の目的は食料品・・・なのだがタイムサービスの時間までは些か時間がある。
そのため特に買うものはないのだが、はいろいろと店内を回ることにした。





___そして数分後、はこのときの自分の選択を大変後悔したのだった。





「Hey!!野球部のマネージャーする決心はついたか?」

「決心も何も、あたしはいらない言いましたよね。」

目の前には青色を基調とした服を着ている眼帯男。
その彼はを見つけた瞬間満面の笑みを浮かべて近づいてきた。


「大丈夫だ。お前なら出来る。」

「いえ、自信の話なんかしてません。」

「野球部はみんないいやつだぜ?」

「いや、だから入らない。」

「お前には特別にユニフォームもつくってやる!」

「ですから、はいらない。」

「ちなみに練習日はほぼ毎日だ。」

「あたしの話聞いてますか?」

「休むときは理由をちゃんと言えよ?」

「もしもし?」

「朝錬もあるからな。」

「もしも〜し・・・。」

「寝坊すんなよ?」

「・・・・・・。」




(・・・こーゆーときは、)

未だに話を続ける男からそろりと距離をとった。



   逃げるにかぎる。



後ろから聞こえたを引き止める声も聞くつもりはない。
全力でその場から逃げ出した。



(ちなみに月曜日グラウンドで待ってるからな!といったような内容だった。)



(休日なのになんだあんな厄介なのにひっかかんだよ自分!)



さっさと食料品を買って帰ろう!そう思いすぐさま食料品売り場へと向った。







「あれ?ちゃん?」



橙色が見えた瞬間に心の底から思った。


___今日は厄日だ、と。














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